高橋:一つのスタイルとして言い表せるものではないが、例えば、シルエットは「アンダーカバー」よりも少し余裕がある。デザイン性を削ぎ落とす代わりにカシミヤなどの上質な素材を使ったり細かい仕様にこだわったり、「アンダーカバー」ではあまり使わない方法を取り入れた。過去のアーカイブをアップデートしたモデルもある。セットアップも自分が納得するまで何度も作り直し、細からず太からず、絶妙なシルエットに仕上げた。基本はコート、ニット、シャツで、どれも自分自身が普段から着ているアイテムだ。「フラグメント(FRAGMENT DESIGN)」とコラボしたアイテムは、ヒロシ君(藤原ヒロシ)と話し合って、素材やディテールを変えて発売する。
WWD:ブランド名は、2008年に発売された富永よしえ撮り下ろしの写真集にも使われていたが、このブランド名に決めた理由は?
高橋:自分が着たい服だからと言って、自分の名前というのも面白くない。「シェパード」というのはよしえさんの思う自分のことでもあったので、だったらそれにしたいと思い、すぐによしえさんに連絡して決めた。
WWD:これまでとこれからの「アンダーカバー」はどう変化していくのか?
高橋:そのタイミング、その瞬間にならないとその時やりたいことは分からないが、自分が今考えていることは、今でしかないので、過去を振り返ることもない。常にやったことのないことに挑戦したいが、服は十分やっているので(笑)。インテリアももともと好きで、スモールクローン(SMALL CLONE)の佐々木君(佐々木一也インテリアデザイナー)と一緒に家具のデザインも始める。自分たちにできないことはコラボなどしながら積極的に取り組んでいきたい。