大手百貨店の8月度の売上高は、引き続き衣料品が低調だったことに加え、残暑や台風などが打撃となって、前年同月の実績を下回った。7月は復調の兆しが見られたものの、再び下降線に入った。三越伊勢丹は前年同月比10.6%減、高島屋は同4.2%減、そごう・西武は同4.3%減、大丸心斎橋店本館が建て替え工事中の大丸松坂屋百貨店は同7.4%減、阪急阪神百貨店は同5.0%減。昨年に比べて休日が一日少ないことも影響した。
最も落ち幅が激しかった三越伊勢丹は都内の基幹3店舗が足を引っ張った。伊勢丹新宿本店は、昨年まで2日だった8月の休業日を今年は3日に増やしたこともあり、同12.1%減に終わった。特に残暑と雨の影響で、衣料品の秋物の立ち上がりが苦戦。基幹3店舗の衣料品は同7%減だった。高島屋は紳士服が同16%減、婦人服が10%減。特選衣料雑貨、宝飾品といった高額品も苦戦したが、インバウンドに支えられた化粧品は好調に推移した。そごう・西武も衣料品全体は1割減だったものの、19日にスタートしたプライベートブランド「セットプルミエ バイ ケンゾータカダ」は計画に比べて2倍の出足になった。大丸松坂屋は心斎橋店の影響を除く婦人服が同10.9%減だった。阪急阪神百貨店は稼ぎ頭の阪急うめだ本店が同5.1%減。衣料品の秋物の立ち上がり苦戦に加えて、同店の5〜6階での改装工事も響いた。