ファッション

「ユナイテッドアローズ」新旗艦店に六本木を選んだわけ

 ユナイテッドアローズ(UA)が、原宿以外で初の「UA」旗艦店を六本木ヒルズに9月22日オープンする。これまで、2007年に出店したメンズ店と、13年に出店したウィメンズ店を少し離れた場所で単独展開してきたが、店舗面積を過去最大の約1410�uの2層のメゾネット式店舗に拡張する。スローガンに掲げるのは、「ディス・イズ・ザ・ユナイテッドアローズ」、つまり、"これがユナイテッドアローズだ!"と国内外に顕示するもので、「一番新しい、今の時代に最高の『UA』をつくる」という。ドレス軸で展開してきた"オレンジのUA"の集大成であり、プライスレンジも1.5倍程度、上に幅を広げる。基幹ブランドかつコーポレートブランドであり、次の四半世紀の戦い方の布石となる重要な店舗だ。

 「六本木への旗艦店出店は、第2創業・第2クオーターの幕開けの意味を持つ。創業・第1クオーターは原宿を拠点に成長してきたが、100年企業を目指し、さらに進化し続けるために、六本木に賭ける」と竹田光広・社長。同質化が進み、ライフスタイル展開や生活雑貨のミックス提案が金科玉条のようにうたわれる今の時代にあって、「原点を今一度追求する。われわれは何屋なのかを問い直し、洋服屋、セレクトショップとしてリスタートを切りたい」と、ドレスを軸とした洋服・服飾雑貨で真っ向勝負を挑む。富裕層・新富裕層も多く、居住者や勤務者を含め、外国人客も多いインターナショナルな立地でもあり、グローバル旗艦店としての役割も果たす。欧米進出に向けてのリサーチやノウハウ収集も行っていく。

 内装コンセプトは"妄想のバザール〜バザール・パラノイア"で、片山正通ワンダーウォール代表を起用。店舗の内装ディレクションとメンズのディレクションを行うのは、創業メンバーの鴨志田康人クリエイティブ・ディレクターだ。3階にあるメンズフロア(約900�u)には、「ジ・アーケード」と名付けた専門性の高いショップを市場や商店街風に配置したゾーンを設けた。「多様なカルチャーが入り混じる六本木の雰囲気と、自分や片山さんが一番ワクワクするロンドンのアーケードやイスタンブールのバザール風に表現した」という。見通しがきかずスタッフの数も必要で、効率は良くないが、「従来の『UA』と違う価値観を提示するには、あえてこうする必要があった」と強調する。

WWD8/29号に詳細記事。キーマンインタビュー記事を随時掲載予定)

松下久美

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