エースは9月中旬、自社ブランド「エース(ACE.)」の“ジーン レーベル(GENE LABEL)”で、女性目線で一から開発したビジネスバッグの新カテゴリー“ワークスタイルビューティーズ(WORK STYLE BEAUTIES)”をローンチする。まずは通勤から出張まで対応するビジネスシリーズ5型(6500~1万7000円)を発売し、10月上旬には2ウエイや3ウエイで使えてより汎用性の高いビジネスカジュアル(ビジカジ)シリーズ5型(1万9000~2万3000円)と出張用のビジネストロリー2型(3万3000円)もラインアップに追加。「エース」を取り扱う百貨店や専門店合わせて約260店舗で販売する。特徴は、これまで同社のビジネスバッグブランド「エース ジーン」(現「エース」“ジーン レーベル”)で培ったノウハウを生かしたビジネスユースでの機能性の高さに加え、肩掛けできて食い込みにくい長めの平手ハンドルを採用したり、エキスパンドファスナーをテープで隠したりと女性ならではのアイデアが盛り込まれていること。素材も男性的な印象にならないものを選び、カラーも黒に加え、ベージュやワイン、ブルーグレイなど落ち着きのある色をそろえる。
同カテゴリー発売の背景には、女性就業者の増加や女性の働き方の変化がある。エースは2010年から女性に向けたビジネスバッグを単品で提案してきたが、カテゴリーとして確立することで、男性を中心に支持されている既存の“ジーン レーベル”のビジネスバッグと同様に育てていく意向だ。開発に携わったMD本部MD統括部の山口彩乃は、「これまでビジネスバッグは男性をメーンターゲットにしたものが多く、ギアっぽくゴツゴツしたものばかりだった。一方、デザインを重視する女性はブランドのトートバッグなどを使われていることが多かったが、レザートートはビジネスで使うには小分けしにくいなど機能的に十分ではない」と現状の問題点を指摘する。また、百貨店の店頭では女性のハンドバッグ売り場でビジネス仕様のバッグの取り扱いが少なく、女性客がトラベルバッグ売り場で機能性が高く丈夫なバッグを仕事用に購入するというケースが見られたという。「エース」の商品は、メンズフロアのビジネスバッグ売り場やトラベルバッグ売り場で展開されていることもあり、それがメリットになると考える。
開発に際しては、同社で営業として働く女性の要望も取り入れた。「『エース』は、“最適形状・最適デザイン”をキーワードにしたジェンダーフリーのブランド。トロリーも機内持ち込み最大容量などではなく、女性が手に持って階段を降りるときに快適に運べるサイズ感に仕上げるなど配慮している。開発する上でこだわったのは、完全に女性向けというわけではなく、女性が持ちやすいものに仕上げるということ。女性の仕事の幅も広がっているので、フェミニンになりすぎないデザインを意識した。女性だけでなく、既存のビジネスバッグでは満足していない男性にも使っていただきたい」。