三菱地所・サイモンは、静岡県で運営する「御殿場プレミアム・アウトレット(御殿場PO)」の店舗面積を1.3倍に増床するとともに、敷地内に小田急電鉄によるホテルと日帰り温泉施設を誘致する。今月から造成工事に着手し、ホテルと日帰り温泉施設を19年冬に、増床エリアの店舗を20年春にそれぞれオープンする。物販だけでなく、箱根・富士山エリアに交通・観光インフラを持つ小田急電鉄と組んだコト提案の充実によって、海外を含めた広域からの集客力を高める。
2000年に開業した御殿場POはこれまで3回の増床を行い、店舗面積約4万4000平方メートル、店舗数約210店、売上高891億円(2016年3月期)の日本最大のアウトレットモールとして知られる。東京と箱根、富士山という日本観光のゴールデンルート上にあることから、最近は訪日外国人のツアーコースとしても人気になり、過去4年で売上高が約300億円も上積みされた。4回目の増床で店舗面積約6万平方メートル、店舗数約300店とスケールアップし、競合のアウトレットモールとの差を広げる。
小田急電鉄によるホテル「(仮称)小田急御殿場ホテル」は、地上8階・地下1階で客室数は約180室を予定。富士山の一望できるロケーションと温泉を売りにする。日帰り温泉施設「(仮称)小田急御殿場温泉」は古民家風のデザインを採り入れ、富士山の見える露天風呂や約20室の貸し切り個室露天風呂、レストランなどを完備する。
7日に行われた会見で三菱地所・サイモンの山中拓郎・社長は「小田急電鉄は箱根・富士山のエリアを熟知している。一緒に組むことで御殿場POがエリアのハブ機能となり、一大広域観光リゾートに発展させたい」と抱負を述べた。今年に入り、都心の百貨店では訪日外国人観光客による爆買いにブレーキがかかり、免税売上高の減収に苦しんでいるが、御殿場POは「家電や宝飾品の扱いがないので、(爆買いの反動の)影響はそれほどない」と話す。