「トム フォード(TOM FORD)」は9月7日21時15分(ニューヨーク時間)、メンズ・ウィメンズ合同で2016‐17年秋冬コレクションをニューヨークで発表し、公式サイトで全世界にライブ配信した。コレクションのお披露目と同時に商品を購入できるオンシーズンの“すぐ買える”コレクションを「トム フォード」が発表するのは今回が初めて。日本では8日午前10時15分から、東京ミッドタウンのイセタンサローネ1階の期間限定特設スペースで、ライブ映像を見ながら、映像に登場したアイテムをその場で購入できるイベントが開催された。東京ミッドタウンの他、阪急うめだ本店と松坂屋名古屋ジェンタ店でライブ配信を実施した。ニューヨークとの時差の関係で、ショップでのライブ配信が実現したのは日本と韓国だけだ。
イセタンサローネの会場には10時前から顧客を中心に20人以上が集まり、ラックにかかった新作のアイテムをチェックした。さっそく新作のファーコートを手に取り、試着するゲストも。店内のモニターには、アナ・ウィンターやカレン・カッツ、ジュリアン・ムーアをはじめとする多くの業界人や有名人がニューヨークのショー会場に駆け付ける様子がリアルタイムで流れた。画面が切り替わり、ショーが始まった。画面上でランウエイを歩くモデルが身に着けているアイテムが、すぐそばのラックにかかっており、中には商品の実物に触れて確認しながらショーを見る顧客もいた。15分ほどでメンズ・ウィメンズのショーはフィナーレを迎えた。画面上のランウエイにトム・フォード本人が登場すると、イセタンサローネには現地のショー会場と同時に拍手が沸き起こった。
その後、画面はバックステージに切り替わり、フィナーレを終えたばかりのモデルたちが映し出された。終了後に再びトムが現れ、「私が最も好きなアーティストの一人、リオン・ブリッジズを紹介する」とだけ言うと、トムと同じテキサス出身のアーティスト、リオン・ブリッジズのライブパフォーマンスがスタートした。ライブが流れる中、ゲストはショーで目にしたアイテムを手に取り、試着していた。
イセタンサローネでは普段「トム フォード」を扱っていない。今回のポップアップについて三越伊勢丹特選商品部の吉岡裕メンズデザイナーズバイヤーは、「メンズとウィメンズの両方を面積をもって展開できるスペースがあることで実現した。サロン的役割を果たしているイセタンサローネならではの企画であり、顧客サービスにつながると思う」とコメントしている。特設スペースは、9月13日まで。
「トム フォード」は今年の初め、2月に発表している秋冬コレクションを9月に遅らせ、通常であれば約4カ月あるランウエイショーと販売時期のタイムラグを縮め、見て“すぐ買える”コレクションを開催すると発表した。