「ロンシャン(LONGCHAMP)」の業績が好調だ。2015年度の日本市場の売り上げは3年連続で2ケタ増を記録。顧客の平均年齢も11年に比べ10歳下がり36歳になり、若返りが奏功している。16年春夏もその勢いは続き、「WWDジャパン」が全国の主要百貨店を対象に実施した売れ筋アンケートでは、27店中17店が好調ブランドとして挙げた。もちろん定番の“ル・プリアージュ”は引き続き安定した支持を集めているが、近年はレザーバッグ強化施策が実を結び、三越日本橋店からは「ナイロンからレザーへのMD移行が進み、お客さまの購入単価がアップした」、小田急百貨店新宿店からは「レザーラインを購入される30~50代が増加。ブランド本来のイメージが着実に浸透している」と評価されている。特に人気を集めているのは、 仕事用バッグとしても使いやすいA4サイズに対応したトートの“ロゾ リバーシブル(ROSEAU REVERSIBLE)”と“ペネロペ(PENELOPE)”だ。
今春夏にデビューした “ロゾ リバーシブル”は、同ブランドの伝統的なシリーズ“ロゾ”から派生した新作。その名の通り、両面に表革のカウハイドを用いたリバーシブル仕様で、「レザーなのに軽量」と山形屋は話す。スモールとミディアムの2サイズに加え、肩から掛けるのにぴったりなロングハンドルタイプも用意し、好みや用途に合わせて選ぶことができる。また、5万円台という同ブランドのレザーバッグの中では手ごろな価格設定も好調要因の一つだ。
一方、15-16年秋冬の発売以来ヒットしている“ペネロペ”は、トート型をベースにサイドに本体と同素材のフリンジを付けた“デザインされすぎていない”デザインが、キャリア女性の心を掴んでいる。上部にはファスナーを、内側にはポケットを複数備えるなどの機能的なのもポイントだ。ヒットの理由について、西武池袋本店は、「かっちりしたデザインで、上質な革を使用しているにもかかわらず、軽量で使いやすい。30~40代のOL層やミセス層に特に好評。ドラマや雑誌掲載による問い合わせも多い」とコメント。高島屋横浜店も「週間売り上げベスト3の常連になっている」とその人気ぶりに太鼓判を押す。また 、“ペネロペ”の好評を受けて、今秋冬はスムースレザーとスエードを切り替えた新作“ペネロペ ファンテジー(PENELOPE FANTAISIE)”も打ち出している。