「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」は9月23日(現地時間)、ミラノで2回目のショーを行った。今シーズンのテーマは、「変形」を意味する「MORPHING」。ある物体から別の物体へと変形し補完して完成する、変身と変化を表現したという。冒頭は、トレンチコートをベースにしたピンストライプとのジャケットやデニムジャケットと組み合わせたパーカなど、2~3つの服をドッキングし1つのアイテムに再構築したアイテムが登場する。プロ野球チームのヤクルトスワローズのTシャツといったカジュアルアイテムもありながら、中盤からはドットやチェック、カモフラージュの柄のバランスを生かしたドレスなどをそろえた。アイテム自体に近寄っていくように大写ししディテールをより強調させたり、ブロックチェックの一部の糸を織り込まず表に出すことによってノイズのような風合いを出したり、ベーシックな柄や素材を最大限に生かした。ラストには、2人のモデルが並んで日の丸を描くコートを着て登場。2人がターンすると、背中にはイタリア国旗が登場し、会場のイタリア人から歓声を集めた。
今回のコレクションについて中島篤デザイナーは、「いつも感覚でテーマを決めているが、時代や世の中の情勢を見て、異なるものを組み立てることで、新しい変化を生み出すコンビネーションを作ろうと思った。ファッション業界もベテラン勢の勢いが止まらず、なかなか下のブランドは上にいけない。新しいことや変化を求められている」と話す。また、2回目のミラノでのショーについて、「東京よりも、世界中から来る人たちにショーを見てもらえる。ミラノでコレクションを発表することで、より自分らしさや日本らしさを意識したデザインができるようになった。ラストの日本とイタリアの国旗のデザインは、今年が両国の国交150周年ということもあり、何か面白い仕掛けをしたいと思った」という。
ショーでは、音楽に初めて作曲を手掛けたという堂本剛を起用。中島デザイナーが堂本の作品「shamanippon -ラカチノトヒ-」を聞き、今回のコレクションのテーマでもある和の要素を取り入れたアート的な感覚の作品作りに共感し、今回のコラボに至った。モデルには、女優のすみれが登場。「初めての海外のショーだったので、ショー前日からすごく緊張していた。とてもいい経験ができた」とショー終わりに振り返った。
「アツシ ナカシマ」は今回までDHLのサポートでショーを行ったが、次回もミラノでの単独ショー開催を視野に入れている。
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