ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)は最高経営責任者(CEO)にクラウス・ディートリッヒ・ラース(Claus Dietrich Lahrs)前ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)CEOを起用した。ラース新CEOはカルロ・アルベルト・ベレッタ(Caro Alberto Beretta)の後任で、10月4日に業務を開始する。ベレッタは今後、ケリング(KERING)が新設するチーフ・クライアント&マーケティング・オフィサーに就任する。
ラースCEOはカルティエ(CARTIER)やルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、クリスチャン ディオール クチュール(CHRISTIAN DIOR COUTURE)などを経て、2008年にヒューゴ ボスのCEOに就任した。彼はブランドのグローバル展開を率いたほか、ジェイソン・ウー(Jason Wu)をウィメンズの「ボス ウィメンズウエア(BOSS WOMENSWEAR)」のクリエイティブ・ディレクターに起用した。しかし、中国での売り上げの落ち込みや米国での大幅な値引きが原因で近年業績が悪化し、15年は半年に2回も業績の下方修正を行った。16年2月に退任した。
「ボッテガ・ヴェネタ」はケリングにとって主力ブランドの1つであり、アナリストはケリングのラグジュアリーディビジョンの売り上げおよび営業利益の約15〜20%を占めると分析する。他ブランド同様にラグジュアリー市場の不況の影響を受けており、16年上半期(1〜6月期)の売上高は前年同期比9.2%減の5億7120万ユーロ(約645億円)、営業利益は1億4500万ユーロ(約163億円)だった。売り上げ減の挽回策として、商品開発、特に定番の“イントレチャート”以外のヒットが期待される。