ファッション

伝統工芸を未来へ 中里唯馬が手掛けるバッグブランドがデビュー

 中里唯馬「ユイマナカザト」デザイナーがチーフデザイナーを務めるバッグブランド「エスタルテ(ESTARTE)」が2017年春夏にデビューする。9月30日には、パリでローンチパーティーを開催し、関係者にファーストコレクションを披露した。同ブランドは「日本から世界へ」をコンセプトに、金沢の伝統工芸の金沢箔を現代的に用いたバッグを提案。日本の伝統や技術をブランド化し、世界での販売を目指す。生産・販売を行うのは、香水やバッグ、時計の輸入販売やオリジナルバッグブランド「ペッレ モルビダ」などを手掛けるウエニ貿易。構想から3年をかけてローンチにこぎつけた。

 17年春夏コレクションは、幾何学的なデザインや明細のような柄が特徴のバッグ20型と財布5型合わせて25型を用意する。ベースには全て馬革を使用。そに「縁付け」という400年以上続く伝統製法で作られた金箔や、燻しによって色が変化し柄を描くことができる銀箔、日本に1人しかいないという職人が作る貴重なプラチナ箔を貼り付け、ユニークなアイテムに仕上げている。価格帯は約15万~100万円。

 中里をチーフデザイナーに起用した理由について、土屋晃「エスタルテ」ディレクターは「素材自体が強い個性を持っているものなので、それに負けない強いデザインができるデザイナーを探した。結果、中里さん以外に選択肢はなかった」とコメント。一方、中里チーフデザイナーは「伝統ある金沢箔を現代や未来に継承していくということを念頭に、それを生かしたデザインを考えた。日本の技術を世界に発信していくため、海外でお披露目することを決めた」と話した。

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