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瀧定大阪がブランド事業を大幅縮小、17年1月期に特損300億円を計上

 繊維商社の瀧定大阪は2017年1月期に特別損失約301億円を計上する。為替デリバティブの解約損失221億円に加え、オリーブ・デ・オリーブの構造改革費用やのれんの償却、貸し倒れ引当金など80億円を計上する。本日10月3日の中間決算会見で発表した。この数年積極的にM&Aを進めてきたブランド事業は大幅に縮小。売上高の9割を占め、子会社のスタイレムが展開するテキスタイルとOEM事業に経営資源を集中する。瀧隆太・社長は「時代の流れを先取りしようと改革を急ぎすぎた歪みが出た。今後はスタイレムに経営資源を集中し、改めて収益基盤を強化したい。ブランド事業はのれん代などを一括償却するなど、収益を徹底的に重視。それでも改善しない場合はさらに思い切った手段も視野に入れる」と語った。経営体制も刷新する。為替デリバティブ損失の責任を取り瀧章夫・取締役と小川修・瀧定大阪執行役員兼スタイレム社長、ブランド事業を積極的に推進してきた瀧直人・執行役員兼ブランド・マーケティング開発部長の3人が9月30日付で退任する。

 オリーブ・デ・オリーブを中心にした消費ブランド事業の2017年1月期の事業見通しは、売上高が前期比15.1%減の87億円、営業損失が22億円(前期は18億円の赤字)、経常損失が22億円(前期は20億円の赤字)、税引前純損失が51億2500万円(前期は21億3500万円の赤字)と、赤字が拡大する見通し。220億円のデリバティブ取引の大型損失と構造改革費用100億円の計上に伴い、瀧定大阪(単体)の純資産は521億円から221億円に減少、自己資本比率は74.4%から50.6%になる見通し。連結でのバランスシートは期末にかけて算定するが、瀧社長は、「連結でも自己資本比率は35%以上は維持できる見通し」という。

スタイレムの新社長に酒向副社長が昇格

 瀧定大阪の子会社スタイレムは10月3日付で酒向(さこう)正之・取締役副社長が社長に昇格した。小川修・現社長は顧問に退く。酒向新社長は1964年10月1日ロサンゼルス生まれの52歳。87年に瀧定入社し、中国総代表などを経て、2015年2月取締役副社長に就任していた。スタイレムは同日付で瀧隆太・瀧定大阪社長も取締役に就任し、グループ一体になって成長を目指す。「グローバル化と、テキスタイルと製品の連携といった既存路線を加速する。僕が52歳、谷田修一・専務が47歳、西山伸一常務が46歳と若い経営陣が中心。若さを武器に思い切ったことを積極的に推進していく」と今後の抱負を語った。

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