ファッション

米南部を襲ったハリケーン「マシュー」の損害約7000億円か

 大型ハリケーン「マシュー」は10月4日にハイチを直撃して甚大な被害を残し、米国においても、南北カロライナ州とジョージア州に記録破りの洪水をもたらした。ハイチにおける死者は少なくとも1000人、米国でも21人以上となっている。

 気象分析を手掛けるプラナリティックスのエヴァン・ゴールド=エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、「マシューによる最終的な物的損害額は、1999年のハリケーン『フロイド』に匹敵するのではないか」という。フロイドがもたらした被害は実に70億ドル(約7210億円)に上った。

 米南部および南東部では、マシューの影響で小売り売上高の減少に悩まされている。洪水に襲われた地域は、ほとんどが瓦礫の山による道路の通行不能や停電などの被害を受けた。ウォルマートのスポークスマンは、「マシューは複数の州にまたがって深刻なダメージを残した」とコメントした。ゴールド=エグゼィティブ・バイス・プレジデントは、人々が家の修復や日常生活を取り戻すための支出を優先するため、「アパレル業界は重大な損失を被るだろう」と述べる。同氏によると、メイシーズ、ノードストロム、「マイケル コース」は、全店舗の5%以上をマシューの被害を受けた地域に構えているという。

 金融サービス企業のコーエン・アンド・コーは10日、「マシューの影響はフロリダからノースカロライナまで及び、10月第一週の米南部のストアトラフィックは8.9%減だった。なかでもアパレルのトラフィックのダメージは大きく前年同期比5.0%減だ。この1年間では、6月以来減少傾向が続いており、4.7%減になる」と述べた。

 店舗分析ソリューションを提供するリテールネクストは10日、マシューがもたらした被害の大きさを示すために、フロリダ州とその他米国全土における売上高の比較を発表した。それによると、10月4~8日にかけて、米全土(フロリダを除く)における純売上高は5.9%減だったのに対し、フロリダでは17.6%減だった。米全土におけるトラフィックは10.4%減で、フロリダでは13.3%減。米全土における商取引は5.6%減で、フロリダでは16.7%減。また、フロリダのリテーラーの顧客転換率(ウェブサイトの訪問者のうち、何パーセントがそのサイトで商品を購入したかを示す指標)は、米全土では0.8%増だったが、フロリダは1.3%減だった。

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