「グッチ(GUCCI)」のローファーがファッション業界において新たな旋風を巻き起こしている。1953年にメンズ、55年にウィメンズのローファーがデビューして以来、同ブランドはさまざまなデザインや形、素材のものを出してきた。ファッションショーのフロントローやイベント、スナップでも度々登場しており、他ブランドにも影響を及ぼしている。
ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)などの小売店は秋冬のキーアイテムとしてローファーをサイト上に打ち出している。リサ・エイトキン(Lisa Aitken)=ネッタポルテ(NET-A-PORTER) ファッション・ディレクターは「昨年に比べ、ローファーを倍買い付けている。ローファーは確実に今後も成長し続けるカテゴリーだ。特に『グッチ』の売れ行きは凄まじく、最初に販売したローファーはわずか数日で完売してしまった」と語る。他のブランドも続々とローファーを手掛けているという。「『マンサー ガブリエル(MANSUR GAVRIEL)』から『プラダ(PRADA)』まで、数多くのブランドがローファーを出している」。
オンラインのラグジュアリーリセールサイト「ザ・リアルリアル(THE REAL REAL)」のラティ・サヒ・レヴェスク(Rati Sahi Levesque)=チーフ・マーチャントは「『グッチ』の売り上げは前年比63%増とかなり好調。『グッチ』のみならずローファー全般は同100%増だった。中でも『シャネル(CHANEL)』『プラダ』『ザ・ロウ(THE ROW)』『トッズ(TOD'S)』『ティビ(TIBI)』『ロベール クレジェリー(ROBERT CLEGERIE)』のローファーが今売れている」とコメント。シューズブランド「コール ハーン(COLE HAAN)」も定番アイテムの“ピンチ ローファー” をはじめ、ローファーのプロモーションに注力を入れている。デヴィッド・マドックス(David Maddocks)=ジェネラル マネジャー オブ ビジネス デベロプメントは「まさにローファーブームの真っ最中にいる。『グッチ』同様、このトレンドの恩恵を受けている」と話す。
MISTY WHITE SIDELL著