三越伊勢丹ホールディングスは10月18日、中部国際空港旅客ターミナルビル3階の国内線出発ゲートラウンジ内に「イセタン セントレア ストア」をオープンした。同店は、2012年から14年にかけて3店舗出店した「イセタン 羽田 ストア」に次ぐ、4店舗目の空港内ストア。店舗面積は物販エリアが約540平方メートル、カフェエリアが約60平方メートルで、羽田空港内の店舗とほぼ同規模になる。
「羽田 ストア」同様、「居心地の良いラウンジ感覚の、百年品質のモノ・コト提案による高感度編集ストア」をコンセプトに、国内外を飛び回るビジネスマンをターゲットに設定。ストア全体を「ヨーロッパの五つ星ホテル」に見立て、「素材のこだわり」「デザインの良さ」「伝統」をキーワードに、価格にこだわらず、本物・本質を追求した価値のあるアイテムを扱う。ビジネスマンの利用者が多い中部国際空港の特徴に合わせ、「ラルディーニ(LARDINI)」や「L.B.M1911」「タリアトーレ(TAGLIATORE)」「エドワードグリーン(EDWARD GREEN)」「チャーチ(CHURCH’S)」「グローブトロッター(GLOBE-TROTTER)」などのビジネスでも活用できるアイテムから「ニコライバーグマン(NICOLAI BERGMANN)」の花束や京都の和菓子「サノア(SANOAH)」といったギフトアイテムまで、イセタン羽田ストアの商品構成を再編集した、約150ブランドをそろえた。また、駐車場のカウンターで購入商品を受け取れるサービスなども準備し、顧客一人一人に合わせたコンシェルジュ的な接客で迎える。
同時オープンしたカフェ「トラベラーズ コーヒー」は、滑走路を見渡せる広がりのある空間。“コーヒーハンター”の川島良彰が監修したコーヒーやサンドイッチ、ワッフルといった軽食の他、名古屋名物の八丁味噌を使った肉まんなど、限定メニューを用意する。
この日行われたオープニングセレモニーには、大西洋・三越伊勢丹ホールディングス社長と友添雅直・中部国際空港社長、橋川順イセタン セントレア ストア店長が参加。友添社長は「近年、保安検査の厳しさもあり、空港内に早めに来て時間を過ごすビジネスマンが増えた。その多くは普段忙しく、なかなか街のお店に買い物に行く時間のない人が多いこともわかった。あえて客層は絞らず、さまざまなシーンに合わせた利便性、快適性、驚きを提供したい。今回の出店は、商業開発を進める中部国際空港においても重要なステップになる。三越伊勢丹のブランド力や接客力、ビジネスのノウハウを資産として蓄積できれば」と期待を込めた。大西・社長は、地方都市の商売が厳しいことは重々承知していると前置きした上で、「空港には大きなポテンシャルを感じている。『羽田 ストア』は当初、われわれの想定していた”客層は主に旅行客”だろうという仮説を良い意味で裏切った。商品ラインアップも「トラベル」をテーマにしていたが、通常の店舗と同じ目的で買い物をする顧客がほとんど。ライフスタイルの一部として利用してくれている。『セントレア ストア』も今回のMDがベストだとは思っていない。まずは3カ月様子を見て、客層に合わせたラインアップに徐々に進化させていく。今後も品ぞろえの強化が必須だ」と話した。
三越伊勢丹は売り上げ目標を明らかにしていないが、羽田空港内にオープンした店舗は3億〜5億円程度(弊紙推定)の売り上げ。