ニューヨークのコンテンポラリー・ブランド「ティビ(TIBI)」が好調だ。「ティビ」はミニマルでマスキュリンなアイテムに、気の利いた“やり過ぎない”デザインを加えて、フェミニンに提案するのを得意とする。日本では以前、イトキンとのライセンスビジネスで百貨店チャネルを中心に販売していた。2014年プレ・スプリングからはユニット&ゲストが輸入・販売を始め、丸3年経った17年プレ・スプリング現在のアカウント数は32まで増えた。16年春夏から17年プレ・スプリングまで4シーズンの売上高は、前年同期比203%と倍増。主要な卸先はユナイテッドアローズやドゥーズィエム クラス、デミルクス ビームス、アングローバルなどで、プロパー消費率が70~80%と高い店舗が多いのも特徴だ。
好調を維持する理由を佐藤健也ユニット & ゲスト社長は「日本のトレンドと合致した。(一大トレンドとなった)ガウチョパンツやミディ丈のフレアスカート、オフショルダーなどが、マスに広がる前から打ち出していた。また、デイリーからちょっとしたドレスアップまで対応できるのもウケた」と分析する。人気アイテムはサテンポプリン素材の変化球トップスで、オフショルダーのものや袖口にギャザーが入ったものなどニューヨーク・ファッション・ウイークのランウエイでも登場したキャッチーなアイテムが買える価格であることも良かった。巧みなMDで価格帯は幅広いが、トップスで3万円台から用意し、ボリュームゾーンは4万円台と手に取りやすい。
世界的にコンテンポラリー・ブランドが苦戦する中で、「ティビ」が次の一手を打っている点にも注目したい。近年、価格帯の幅を広げ、ショーのラストにドレスのバリエーションを持ってくるなど、いわゆるコンテンポラリーの立ち位置から、一角上げるアプローチも見せている。実際、16-17年秋冬のポップアップショップを英国セルフリッジに開いた際、売り場は、「マルニ」「プロエンザ スクーラー」「バーバリー」などが並ぶゾーンを確保でき、売り上げも良かったという。現在、同じ売り場での出店を交渉中で、今後、百貨店でどの売り場を獲得していくのかにも注目だ。