「ショップジャパン」を運営するテレビ通販大手のオークローンマーケティングが、動画コマースに参入する。動画コマースサイトとアプリ「ストリコ」を9月にローンチ。雑誌の編集者やスタイリスト、インフルエンサーらが登場し、1分前後で主にファッションやライフスタイル系の雑貨を紹介している。急成長を続け、国内ではテレビ通販企業としては首位のジュピターショップチャンネル、QVCを追撃するポジションの同社だが、ハリー A.ヒル社長は、「5年後にはメディアとコマースが融合する時代が来る。そのため動画コマースは、あらゆる消費財のチャネルの中心になる。テレビ通販も、今後は動画コマースに移行するだろう」と指摘する。2年前からECや実店舗への卸しに力を入れ、独自のオムニチャネル化を進めてきた同社の参入で、動画コマースが盛り上がってきた。
オークローンマーケティングの売上高は2016年3月期で666億円。「ビリーズ・ブート・キャンプ」や快眠マットレス「トゥルースリーパー」などのヒット商品で知られる同社だが、2年前からはECや実店舗への卸しなど、販路の多角化を進めてきた。3年前はテレビ通販が売上高の65%を占めていたが、直近ではテレビ通販の比率は4割に低下し、実店舗への卸しが22.1%、ECが18.6%と急拡大した。ヒル社長が注目しているのは、「オムニチャネル化によって大ヒット商品の販売数が以前にケタ違いに大きくなったこと。かつては50万セット売れれば史上空前の大ヒットだったが、オムニ化を進めた現在は300万台以上へと拡大した。オムニ化によって宣伝費の効率化も進み、利益率も向上した」という。