写真界の巨匠ロバート・フランクが、アートブックなどを手掛けるシュタイデル社の創業者ゲルハルト・シュタイデルとともに企画した自身の活動を振り返る展示会が、東京芸術大学大学美術館 陳列館で11月11~24日に開催される。入場料は無料。
同展は世界50都市を巡回中で、東京は10都市目にあたる。フランクが1947年から2016年にかけて制作してきた写真・映像作品やシュタイデル社から出版された写真集を展示する他、手紙や素材のサンプルなど普段は表に出ない貴重な資料も公開する。
9日には「ゲルハルト・シュタイデル ワークショップ」を先着30人(事前予約制)に向けて行い、シュタイデル本人が本作りに関する具体的なアドバイスを個別に行う。また10日には、「ゲルハルト・シュタイデル レクチャー」を行い、こちらもシュタイデル本人が直接、アーティストとの本作りをめぐる体験を紹介する。この他23日には、新作映画上映会「ドント ブリンク(Don’t Blink)」by ローラ・イスラエル(Laura Israel)と、写真とフォトブックに関するシンポジウムを開催する。
ロバート・フランクは、1924年スイス生まれの写真家で映像作家。47年に発表した写真集「The Americans」は、それまで注目されなかったアメリカ社会の一面を切り取って、衝撃を与えるとともに写真表現の新たな試みとして高い評価を得た。
ゲルハルト・シュタイデルは、50年ドイツ生まれの出版人でデザイナー。68年にシュタイデル社を立ち上げ、美術展のポスター制作などを手掛け、72年には書籍を初めて出版した。それ以降、文学やアート、写真の本を出版してきた。2013年にドキュメンタリー映画「世界一美しい本を作る男」が日本で公開され、注目を集める。