H&Mジャパンのクリスティン・エドマン社長が12月末で退任することが分かった。後任は、ノルウェーのカントリー・マネジャーを務めていたルーカス・セイファート=H&MノルウェーCEOで、来年1月に正式に着任する。
エドマン社長は日本人と米国人のハーフで、日本に生まれ、米国の大学を卒業。夫の博士号取得に伴いスウェーデンに移住し、ストックホルム大学でMBAを取得。卒論で書いた「日本にH&Mをオープンしたい」という夢が地元経済紙に掲載されたことが縁で、2005年にH&Mへネス&マウリッツに入社。日本上陸の準備を進め、08年に日本法人社長に就任し、9月に銀座に1号店をオープンさせた。ファストファッション・ブームを巻き起こしたことに加え、32歳の若き女性経営者という点からも話題を呼んだ。2児の母でもあり、女性のエンパワーメントや、ライフ・ワーク・バランスを通じた新しい働き方の旗手としても注目された。
日本に上陸してから7年強で、売上高は37億5400万SEK(約525億円)、期末店舗数はグループ計で57店舗にまで拡大した(15年11月期)。在任期間も長くなり、スウェーデン本国から新ポジションを提示された模様だが、日本に残る道を選んだようだ。
一方、セイファート新社長は、フランスのパリ・アメリカ大学を卒業後、H&Mに入社。1990年代後半からベルギーやフランス、スウェーデンなど各国のマーチャンダイジング(MD)責任者を経て、ワールドワイドのMD責任者に就任。2009年からノルウェーのカントリー・マネジャーを務めてきた。時短勤務で子供を迎えに行くなど、積極的に子育てをしているイクメンで、男性社員に対する新しい働き方などのケーススタディーとしても影響が期待されているという。