マーク・ゴンザレス(左)とブロンディ・マッコイ(右) PHOTOS BY SHUHEI SHINE
「アディダス スケートボーディング(ADIDAS SKATEBORDING)」は10月15日と19日、東京と大阪で「アウェイ デイズ チーム ツアー(AWAY DAYS-TEAM TOUR)」を開催した。これは、今年5月に公開したスケートフィルム「アウェイ デイズ(AWAY DAYS)」に参加したライダーと各都市のスケートコミュニティーやファンの交流を目的としたスケートボードデモツアーで、過去に全米の7都市でも開催された。今回は、ゴンズの愛称で知られるマーク・ゴンザレス(MARK GONZALES)を中心に、デニス・ブセニッツ(DENNIS BUSENITZ)や「シュプリーム(SUPREME) 」クルーのナケル・スミス(NA-KEL SMITH)、「パレス(PALACE)」クルーのブロンディ・マッコイ(BLONDEY MCCOY)らが来日。マークとブロンディに聞いた、彼らの思うスケートやファッション、カルチャーとは?
WWDジャパン(以下、WWD):今回のツアーの具体的な内容は?
マーク・ゴンザレス(以下、マーク):スケーターのデニス・ブセニッツがアディダスとパートナーシップを組んで10周年だからみんなでお祝いも兼ねて来日した。ツアーは東京だと歌舞伎町にスケートパークを作って、スケートで障害物を越えたりするデモンストレーションをやるんだ。
WWD:日本のスケートカルチャーについてどう思うか?
マーク:去年出版された「JUDO AIR」(フォトグラファーの樋貝吉郎による写真集)は、日本のスケートカルチャーを写した素晴らしいドキュメンタリーだった。それを見れば日本のスケートの歴史がよく分かるよ。
ブロンディ・マッコイ(以下、ブロンディ):俺はまだ日本に来たばっかりだから想像だけど、基本的に世界中の人たちがどんな場所でも共通した気持ちを持ってできるスポーツがスケートボードだと思う。だから日本には親近感があるよ。この後、近くのスケートパークに行く予定だから日本のスケーターたちとも会えるかもね。
WWD:スケーターのファッションについてはどう思うか?
マーク:常に進化しているものだから何が人気あるとかポピュラーなのかとか分からないけど、どのスケートブランドも人気があるから好きになる人もいれば、人気があっても好きにならない人もいるんだ。好きなモノなんて人それぞれだから、決めつける必要もないしね。今はパーティーだったりファッションだったり、スケートボードから派生した新しいカルチャーが増えていて、実際にはスケートをやらない人も親しみを感じてくれている。今のスケートシーンはすごくいい状態だと思うよ。
ブロンディ:スケーター自身が他の文化からファッションを取り入れて、カルチャーを作り上げていったんだから、みんながスケーターのファッションに興味を持ったり、真似をしたくなるのは自然な流れだよ。大事なのは自分自身を表現するのに何が一番良くて、気分がいいかってこと。マークも言ってるけど、いろんな派生カルチャーが出てきているんだからスケーターのファッションはコレだって限定しないでもっとオープンでいいんじゃないかな。
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WWD:ブロンディのファッションスタイルはどこから影響を受けたのか?
ブロンディ:俺はロンドンで育ったけど、ロンドンとL.A.のスケートカルチャーは真逆の存在で全く別なんだ。俺自身は、アディダスと関わる前から90’sのレイブカルチャーに影響を受けた。アディダスが自然にあったから今も好きだし、今日は最近発売したフットサルシューズの“スペシアル(SPEZIAL)”を履いている。スケートシューズで歩き回るのに疲れたからね(笑)。スケートする時によく履く“スーパースター(SUPER STAR)”はヒップホップを聴くからだし、今のスタイルができたのは自然にそれが周りにあったからなんだ。
WWD:ロンドンのスケーターはサッカーのサポーターのようなスタイルをしている。
ブロンディ:サッカーはイギリスの象徴だし、イギリスっぽいスケーターのファッションってそうかもね。でもそれぞれが心地よく感じるモノを着るのが一番だよ。他の業界やカルチャーから影響を受けて変化していかないと、みんな同じ格好で本当につまらないモノになるよ。
マーク:彼らはサッカーカルチャーの中で育っているから、やっぱりサッカーみたいな格好になるんだろうね。サッカーのユニホームを着ていてもスケートをやればスケートのファッションになる。スケートにユニホームなんてないんだ。そうやって別の分野で影響し合うのが素晴らしいんじゃないかな。
WWD:マークはブロンディのことをどんなスケーターだと思っているか?
ブロンディ:クソ野郎(笑)。
マーク:そんなこと思ってないさ(笑)。ブロンディは俺とは全く違うスタイルのスケーターだね。世代は違うけど彼は安定感があってパワフルだし、同じようなスタイルのスケーターと一緒に俺も育ってきたから、とにかく素晴らしいのが分かる。
WWD:ブロンディはマークのことをどんなスケーターだと思っているか?
ブロンディ:マークのスケーティングは他の誰にもできない。いつも同じスタイルじゃなくて常に新しいことにチャレンジしながら進化している。自分もそういうスケーティングを目標にしているよ。
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WWD:日本で展覧会を開いたラリー・クラークが、若い頃からマークのスケーティングは素晴らしかったと絶賛していた。
マーク:ラリーはちょっと変態っぽいところがあるから良い写真って言えない時もあるけど(笑)。日本だとアラーキーの作風と似ているよね。普通はスケーターを撮ってもヌードを撮っても、自分ではスケートもしないし裸にもならない、あくまで写真家って人が多いけど、ラリーは全部自分でしちゃうんだ。昔、カリフォルニアに来たことがあって、スケートもしたことないのに自分もしたいって言い出した。いきなりボードに乗っかって坂を下り始めて思いっきりスッ転んだんだけど、その姿を見てコイツはすごいなと思った。彼の写真を好きとか嫌いとかそんなのどうでも良くて、変態だけど勇気も度胸もあるすごい奴だよ。唯一後悔しているのは、転ぶ瞬間をカメラで押さえてなかったことだね(笑)。
WWD:来日中に何かしたいことはあるか?
マーク:何度も来日しているけど、今回は六本木にあるスケートパークに行くのを楽しみにしている。
ブロンディ:俺は日本には5歳の時に来た以来であまり記憶にないから、ショッピングと食事が楽しみだね。何か日本語教えて。
マーク:「キミカワイイネ」とか(笑)。「You’re pretty.」って意味。
ブロンディ:それだけで十分(笑)。