ファッション

銀座松坂屋跡のモール名「ギンザ シックス」に決定 日本初のラグジュアリー・モール誕生へ

 銀座松坂屋跡地の「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」、通称G6の施設名が「GINZA SIX(ギンザ シックス)」に決定した。開発を手掛けるJ.フロント リテイリング、森ビル、LVMHグループのエル・リアル・エステート、住友商事の4社は2017年4月20日に同施設を開業する。松坂屋銀座店跡地に加え、周辺を含む2街区を合わせた再開発による圧倒的スケールを誇る銀座エリア最大の商業施設で、日本で初めてのラグジュアリー・モールになる。初年度売上高は600億円、来館者数年間2000万人を計画する。

 「GINZA SIX(ギンザ シックス)」の商業施設面積は約4万7000平方メートルで、241ブランド(物販210、飲食24、サービス7)が集結。銀座中央通りに面した約115メートルに6つのラグジュアリー・ブランドが2~5層構造の旗艦店を構えるほか、122店舗が旗艦店として出店する。銀座初出店が80店舗、新業態が64店舗になる。

 中央通りに面した路面6店舗は、向かって左から「フェンディ」「ヴァレンティノ」「ヴァン クリーフ & アーペル」「サンローラン」「セリーヌ」「ディオール」が出店する。「ディオール」は5層構造でアジア初の「ディオール メゾン」に、「ヴァレンティノ」は5層、「フェンディ」が4層、「サンローラン」と「ヴァン クリーフ & アーペル」は3層、「セリーヌ」が2層構造の店になる。

 「ギンザ シックス」のコンセプトは「Life At Its Best 最高に満たされた暮らし」。最先端のスタイルと真のラグジュアリー、サービス、環境など全てを高いレベルで提供すること、全ての体験がクリエイティブであり、真に豊かな暮らしや人生を感じることができる施設を目指す。選出ブランドのポイントは「Where Luxury Begins 世界が次に望むものを」。単に高価で高級なものではなく、人生を豊かに充実させる価値のあるモノや体験の提供を目指す。

 基本設計と外観のデザインは谷口吉生、内観はキュリオシティのグエナエル・ニコラが担当。インテリアは銀座や京都の残る路地をイメージし、そぞろ歩く楽しみを演出。日本建築や障子、行燈などの光を参考にする。施設名のロゴは原研哉が手掛ける。また、館内には南條生・森美術館館長監修による現代アートの展示空間を設ける。中央吹き抜けのオープニングアーティストは前衛芸術家の草間彌生、リビングウォールアーティストには植物学者兼アーティストのパトリック・ブランとウルトラテクノロジスト集団のチームラボを起用する。

 上顧客のために百貨店以上のサービスを提供する。上顧客の特別なラウンジ「ラウンジ シックス」には、多言語対応のコンシェルジュが常駐し、館内の飲食店とコラボレーションした特別メニューの提供や、パーソナルスタイリング、メイクアップサービスのほか、文化イベントの開催も予定する。空間デザインは、新素材研究所の杉本博司と榊田倫之が手掛ける。日本の伝統的素材を用い、現代的なディテールを施しデザインする。

 26日に会見した山本良一J.フロント リテイリング社長は、「今後は、これまで50年で築き上げた成功体験や百貨店のビジネスモデルが通用しなくなる。過去の延長線上ではない、道無き道を進まなければならない。当社の役割や社会貢献を考え、未来を描いたときに、銀座で百貨店ビジネスをしない決断をした。百貨店を進化させるのではなく、誰もが見たことがない商業施設を作ることが重要だと確信した。銀座松坂屋は銀座で初めての百貨店で、常識を超える新しさに挑戦してきた。銀座松坂屋のアイデンティティーである“新しさ”はギンザ シックスに受け継がれていく。従来の枠を超えた挑戦がギンザ シックスである」と力強く語った。

 辻慎吾・森ビル社長は「銀座に新しい価値を提案する。唯一無二の場所として、世界の銀座に進化させる。都市作りする中で世界の都市間競争に勝つために、東京のポテンシャルを上げることがミッションだと考えている」とコメントした。

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