紳士服チェーンのAOKIは、タブレット端末を活用したオーダースーツシステム「AOKI OASIS(アオキ オアシス)」を11月8日に国内全店舗でスタートする。「オアシス」とは「オーダーアシストシステム」の略称。膨大な生地見本を見ながらのオーダーや、バックヤードでの在庫確認などをタブレット端末で一貫管理。従来1時間ほど掛かっていた接客時間を平均30分程に短縮できる。また、選択した生地や仕様などの仕上がりや着用イメージを画面上で共有できる他、二回目以降はデータを利用すれば、よりスムーズなオーダーが可能。560以上ある全国の店舗は、これまでも接客用として使っていたタブレット端末を活用し、全国どこでも同じサービスを提供する。価格はスーツが4万9000円~、シャツが6900円~。スーツの中心価格帯は5万9000円~6万9000円。
採寸後、「ジュンコ シマダ」など13ブランド13型の型見本からイメージに近いタイプを選択。それぞれの型見本は複数のサイズを有し、総計300種類以上の見本を用意。多様なフィッティング見本を用意し、オーダーに近い仕上がりが体感できるようにした。生地は国内外のブランドから350種類以上をそろえた。国内工場で生産し、オーダーからお渡しまで最短で2週間を目指す。
昨今、オーダースーツ市場は右肩上がりで、「AOKI」も2015年度のオーダースーツ販売は前年比1.6倍と伸長した。当システムの導入で“敷居が高い”というオーダーメードのイメージを刷新し、20代~30代の新規顧客獲得を狙う。当システムを先行導入した銀座本店、新宿西口本店、横浜港北本店では、若年層に加え50代以上の顧客からも好評を得ているという。青木彰宏AOKI社長は「豊富な型見本や生地のバリエーションを国内全店で展開できることが同社の強み。今後は、ECでも購入できるように体制を強化し、ウィメンズやビジカジにも波及させていきたい」と話した。同社はオーダースーツ事業を20年以上続けている。