ファッション

「ユニクロ」×「カリーヌ・ロワトフェルド」第3弾 NYでプレミアム発表会開催

 「ユニクロ(UNIQLO)」とカリーヌ・ロワトフェルドの協業3シーズン目となるコレクションの発表会をニューヨーク(NY)で開催した。11月11日に日本を含む世界で発売されるのに先駆けて、10月27日に米国で発売を開始。前夜には、アメリカを中心とした世界中のメディアとセレブリティを招き、5番街旗艦店に設けた特別コーナーのお披露目と、「とても限られた親密な友人・知人やメディア関係者」だけを招き、ダウンタウンでディナーパーティーを開催した。出席者らは「カリーヌがファッション界で尊敬されているだけではなく、とても慕われていることが感じさせられた会だった」と口をそろえた。カリーヌは「『フランスの女性になれる服」が『ユニクロ』NY5番街店で発売されました。両親がこの場にいてくれたら、と思うほどに感動し、誇りに思います」とコメント。「ユニクロ」の滝沢直己デザイン・ディレクターは「カリーヌにとって、思い入れが特に強いNYでこのイベントを行うことができて嬉しい。このコレクションは、女性をいかに美しくみせるか、というカリーヌの考えを強く感じられるコレクションで、数多くエッセンシャルなアイテムが登場しています。世界中の多くの人に着ていただけたら」と続ける。

 イベントの直前、独占インタビューに応じたカリーヌはホテルの一室で最新コレクションを見ながら、「今回がベストなコレクションだと思っているわ。毎回いろいろ学んでいるから、どんどん良くなっている。いつも買い物している周りの友達の意見にも、耳を傾けている」と満足そうに語る。フェイクファーのコートとジャケット、フェイクレザーのトレンチなど、カリーヌ、そして滝沢氏が“リアル”であることに徹底的にこだわった素材感が自慢だ。レオパード柄のフェイクファーの出来栄えは特に気に入っているという。「フェイクファーとフェイクレザーは、手を出すのが一番危険な素材よ。失敗すると、安っぽく見えるだけだから」。実際、ファーを手に取ると柔らかく、人工的な感じがまるでないから驚きだ。

 特にコンセプトやテーマを決めているわけではなく、“カリーヌ自身が着たいと思うもの”を作っている。それこそがカスタマーが求めているものだからだ。滝沢氏は、「カリーヌが本当に着たいもの、それがいちばん大事だから、ちょっとしたディテールも手を抜いてはいけない」とクオリティーにこだわる。カリーヌは「すべてリアルに見えるように作ったし、ある意味クラシックにこだわった。リアルに見せるためには、ディテールがきちんとしていることが重要。コートのライニングとか、付け外しができるボタンとか、美しいラペルとか」。

 全てカリーヌが自身で着てフィッッティングしているという。「私はデザイナーではなくスタイリストだから、何が大事って、プロポーションなのよね。プロポーションが正しくないと、シックには見えない。もう一つ大事にしているのは、どうミックスするか。私のステープルアイテムは、最近のものから長く着ているものまでいろいろだけど、基本的には似ていて、退屈とも言える。たくさんの黒、ツイード、レオパード、あとはスカート。今は冬でこれからカントリーサイドに行くとして、このツイードのコートを着てくれても、その下にありきたりの分厚いセーターを合わせてほしくはないの。もちろんそれが快適であるのは分かるけど、あえてファーコートの下にはシルクのブラウスを合わせたりして欲しい。今はヒートテックもあるから、分厚い服を着なくても済むでしょ?ヒートテックって素晴らしいわよね」 。

 滝沢氏は続ける。「コレクションを進行する上でストーリーを築き上げていかないといけない。そんな時、突然、一言『ピンク』とだけ書かれたメールがカリーヌから届いたりする。なんで今ピンクなんだ?とこちらは脅かされる。また、『マント』とだけ書かれたメールが妙な時間に届いたり。でもサンプルがそろって、カリーヌがスタイリングを始めると、『ああ、だからこれが必要だったのか』という風に全てに納得がいくんだ」。

 「ユニクロが私を起用してくれているのは、私にある種のアティチュードがあって、自分なりの服の着方を持っているから。カスタマーへのアドバイスがあるとしたら、一点一点が高くないから、いろいろと違うアイテムを買って、自分なりにミックスして着て欲しいと思う」。最後に雑誌の存在について聞いてみた。「雑誌は今本当に難しいし、毎日雑誌がどんどん消えていく。でもチームでクリエイトするのはとにかく好き。私はイメージメーカーだと捉えている」。

 カリーヌ・ロワトフェルドは元仏「ヴォーグ」編集長で、現在は「ハーパース・バザー」のグローバル・ファッション・ディレクター、自身のファッション誌「CR」の編集長も務める。トム・フォード時代の「グッチ」をともに築き上げたファッション業界のアイコン。「ユニクロ」とのコラボレーションは、1年前にスタート。今回は3シーズン目となる。

 イベントに来場した主なゲストは、アンドレア・ペジック、マリナ・リンチュク、シンディー・ブルーナ、ダイアナ・ヴェラス、マーサ・ハント、リリー・ドナルドソン、リアノン・マッコネル、エニコ・ミハリク、セラ・マーレー、パク・スジョ、シャオ・ウェン・ジュ、キャンディス・ハフィン、ジョーダン・バレットなどトップモデルも勢ぞろい。フォトグラファーのマリオ・ソレンティ、スティーブン・クライン、サンテ・ドラジオ、リチャード・アヴェドンの孫で写真家のマイケル・アヴェドン、デザイナーのザック・ポーゼン、スチュアート・ヴィヴァース、ジョン・ターゴン、スコット・スチュデンバーグ、ティム・コペンズ、フェルナンド・ガルシア、娘のジュリア・レストワン・ロワトフェルド、息子のウラジミール・ロワトフェルドなど。スタイリストのジョバンナ・バッタリア・エンゲルバート、アミナ・ブルー、ブライアンボーイ、バービー・フェレイラ、DJのチェルシー・レイランド、エディ・スリマンのミューズと言われるスタッズ・リンデス、メイクアップアーティストのピーター・フィリップスらの顔も見られた。