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バロックジャパンリミテッド東証上場初日の終値は1710円 時価総額は607億円に

 バロックジャパンリミテッドは11月1日、東証1部に新規上場した。公開価格の2000円に対して、初値は1900円だった。直後に1903円の高値を付けたがじりじりと下がり、終値は1710円、安値は1705円だった。時価総額は607億円となった。

 会見に登壇した村井博之・社長は、株価に対して「喜ばしいものではなかったが、上場は一つのマイルストーンで通り道だと思っている。今後、いかに企業価値を上げて株価を上げていくかに専心していく」とコメント。さらに、資金調達手法が広がる中で、あえてこのタイミングで上場したことに対しては、「市況も良くないし、無理して上場することもないと思われるかもしれないが、市況は山あり谷ありで回復してくる時期もある。(上場)リスティングカンパニーになることで、世界に出ていく際の会社の信用度、人材採用のしやすさにメリットを感じている。資本的な魅力よりも、(上場などを)あまり考えない業界でも一部には上場信仰のようなものがあるので、資格としてもっておこうと考えた。市況についても、今後下がる心配をする必要もないので、逆転の発想で、一番悪い時に上がってしまおうと考えた」と明かす。

 今後の成長については、売り上げ・店舗数が国内事業を逆転しており、将来、日本以上の高い利益率が見込める中国事業の拡大を柱に掲げる。また、しまむらよりも高い棚卸資産回転率(商品回転率)と、ファーストリテイリングやアダストリアなどよりも高いレベルにある売り上げ総利益率などを武器に、「質の高いアパレル事業」をさらに磨き上げていくという。加えて、情報発信力の高い新タイプのカリスマ販売員などを軸にしながら、「トレンドを探したり追いかけるのではなく、トレンドを作り出していく」と断言する。並行して、ECを強化する。11月から導入し年明けから本格稼働する新ECエンジンにより、実店舗とECの在庫を一元化し、顧客管理やマーケティングを強化。現在、9.6%のEC化率を20%に引き上げたい考え。

 経営数値目標として掲げるのは、経常利益率と純利益額で、前期8.9%だった経常利益率は15%を目指す。「純粋アパレルの中では最高の利益率であるといっても過言ではない。目指すところは、グローバルSPAのH&M(15.1%)や『ザラ』を手掛けるインディテックス(17.9%)だ」と明言。純利益額に関しては、「オリンピックイヤーの2021年1月期に100億円を目標としたい」と述べる。さらに「私が存命中に達成できるか分からないが、長期的にはグループ売上高で1兆円を達成したい」と語った。

 バロックジャパンリミテッドの2016年1月期は売上高687億円、営業利益59億円、経常利益61億円、親会社株主に帰属する当期純利益は42億円だった。17年1月期には売上高728億円、営業利益61億円、経常利益63億円、親会社株主に帰属する当期純利益は44億円を予想する。

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