百貨店大手5社の10月度の売上高は、三越伊勢丹が前年同月比3.4%減、高島屋が同4.0%減、そごう・西武が同3.1%減、大丸心斎橋店の本館が建て替え工事中の大丸松坂屋百貨店が同4.7%減、阪急阪神百貨店が同3.2%減だった。当月は前年同月に比べて日曜日が1日多かったものの、全社がマイナスだった。引き続き衣料品が苦戦しており、単価の高いジャケットやコートなど重衣料の売れ行きの鈍さが痛手になった。
三越伊勢丹は婦人服が同2%減、紳士服が3%減。コートが低調だったが、後半になって婦人帽子や紳士マフラーに動きが出たため、9月に比べてマイナス幅は縮小した。大丸松坂屋百貨店は、大丸心斎橋店の本館の影響を除いた数値で婦人服が同3.9%減、紳士服が同4.2%増。紳士服の好調は、松坂屋名古屋店の今春の改装効果によるもの。阪急阪神百貨店は旗艦店である阪急うめだ本店で重衣料やブーツが低迷したものの、改装効果が続くハンドバッグは3割増で推移した。そごう・西武は婦人服が1割減の一方でハロウィンのパーティ需要で食品がよく売れ、コト消費へのシフトが浮き彫りになった。
インバウンドの昨年までの爆買いの反動で、引き続き2ケタ減が続いている。そんな中、高島屋は免税売上高が同11.3%増を記録。「他社と同じく、客単価は下がっているが、それ以上に客数が増えている」(同社広報)。インバウンドが多い新宿店と大阪店は店舗売上高が前年実績を上回った。