デサントの2016年4~9月期は、売上高が前年同期比3.7%減の625億円、営業利益が同32.4%減の34億円、純利益が同28.0%減の26億円と、中間期としては7期ぶりの減収減益となった。売り上げの6割を占める海外エリアの為替変動と消費低迷が影響。特に、成長エンジンだった韓国市場の消費の冷え込みや、昨シーズンの暖冬による商品在庫増が収益力を弱める要因になった。一方の国内売り上げは、主力の「デサント」がゴルフカテゴリーを伸ばすなど健闘し、同102%を確保。ブランド別にみると、「ルコックスポルティフ」が韓国で苦戦し同87%の192億円。直営店戦略を進める「デサント」は主要国すべてで増収し、同101%の224億円だった。これにより、同ブランドの連結の売り上げシェアが4ポイント拡大した。
17年3月期の連結業績予想は売上高が前期比4.7%減の1300億円、営業利益が同22.9%減の80億円、純利益が同30.1%減の55億円に下方修正した。「国内は堅調だが、韓国と中国の消費の落ち込みは回復しないと見込んでいる」と石本雅敏・社長。「韓国と日本、中国の3本柱で経営を安定させる。日本はデサントジャパン設立に向けて構造改革中だ。中国は今年7月に立ち上げたデサントチャイナを軌道にのせる。今年はさらに6店舗出店し、『デサント』を主軸に成長させたい。韓国は攻めるブランドと守るブランドを整理し、メリハリのある戦略で利益確保を目指す」と語った。