デンマーク発ライフスタイル・ブランド「ソストレーネ グレーネ(以下、ソストレーネ)SOSTORENE GRENE」の旗艦店が10月28日、東京・表参道にオープンした。同ブランドは1973年、デンマーク第2の都市であるオーフスで誕生。ロゴにシルエットで描かれているアンナとクララという架空の姉妹が、暮らしの中のささやかな物事に「美」や「喜び」を見出し、世界中の人々と分かち合うというコンセプトだ。今年春までは、マーケティング企業のアナザーワンが同ブランドの店舗を運営していたが、5月、ソストレーネ社と100円ショップチェーンを運営するワッツ、バラエティー雑貨などの企画・輸入卸を行う元林3社出資で合弁会社ヒルマー・ジャパン(HILMER JAPAN)を設立(出資比率はソストレーネ グレーネが40%、ワッツが55%、元林が5%)し、本格上陸を果たした。表参道店に続き、来春までに関東近郊で3店舗出店を予定している。
オープンを機にミゲル・グレーネ最高経営責任者(CEO)兼共同オーナーが来日。グレーネCEOは「小売りと流通に精通したパートナーを見つけられてハッピーだ。日本の消費者に北欧発ユニークな買い物体験を楽しんでもらいたい」と話す。2層約330平方メートルの旗艦店では、洗練された北欧デザインがベースのフェミニンなテーストが特徴のライフスタイル雑貨をはじめ、家具、ステーショナリー、ハンドメード用アイテムなどを販売する。「毎週新商品が入荷する。年間で約5000アイテムが登場するが定番はその内、約25%。だから、店舗に来るたびに新たな発見がある」。同社は現在、北欧とヨーロッパ中心に11か国で約120店舗を運営しており、この店舗はアジアで初の店舗になる。「売り上げの約7割を北欧市場が占める。当面は、ドイツやイギリス、オランダなど最近進出したヨーロッパ市場と日本市場にフォーカスする。アジアでは日本が最もわれわれのブランドに合った国だ」。価格はハッピープライスといわれる数百円と1000円でお釣りがくるものがほとんど。最近加わった家具類も数千円だ。
同じくデンマーク発雑貨を提供する「フライングタイガー コペンハーゲン(以下、フライングタイガー)」に関して聞くと「われわれの商品は買い足してもなじむデザイン。コンセプトが彼らとは違うので、ターゲットは全く別」とコメント。「フライングタイガー」の雑貨はカラフルでポップなテーストのものが多いが、「ソストレーネ」はニュートラルカラー中心のシンプルなデザインが中心だ。「われわれは、バラエティストアとして全カテゴリーを販売しており、今後はスモール・ファニチャーに注力していく」。ターゲットに関しては、98%が女性と圧倒的に女性が多い。最近、日本でも人気のハンドメード用の商品も充実している。「われわれのベストセラーの一つが毛糸。最近デンマークで編み物する人は減っているが、店舗で毛糸を見ると試してみたくなるようだ」とグレーネ社長。店舗では毛糸だけでなく編み棒などの道具も販売している。「手作りの楽しみを広げていけたら嬉しい」。