日鉄住金物産の繊維部門の2016年4~9月期は、経常利益が前年同期比89%増の24億円だった。売上高は、主力であるOEM(相手先ブランドの生産)で衣料品市場の不振が響き、同6.3%減の768億円だったが、円高効果を含むコスト低減、赤字だった子会社の遊心クリエイションの清算などで、利益は大幅に改善した。
通期(17年3月期)は売上高1700億円、経常利益54億円以上を計画する。引き続き消費市場は厳しいと見る中村英一・取締役常務執行役員は「確実にロスを削減することで利益を積み上げる。縫製は主力工場に集約されてきたが、素材においても各部ごとに布帛、ニット、カットなどで共有を進め、効率化を図る」と話す。またアパレルからQR(クイックレスポンス)への要望が再び高まっていることを受けて、中国だけでなく低コストを売りにしてきたASEANにおいてもリードタイム短縮のための知恵を絞る。