ファッション

「ケンゾー×H&M」発売開始 新宿店にキャロル&ウンベルトが参上! 購入者レポート

 「H&M」は11月3日、「ケンゾー(KENZO)」とのデザイナーズコラボコレクション「ケンゾー×H&M」を発売した。今回の店頭販売は事前応募制で、当選者が各35人ずつ、15分間買い物ができる仕組みに変更(例年は行列の先着者から20人ずつ、10分間でショッピング)。メディアの一部からは「行列やいち早く商品を確保しようという商品争奪戦がないので、一抹のさみしさがある」と聞く一方、買い物客らは「ゆっくりと素材やサイズなどを吟味しながら買い物ができて良かった」と好評な滑り出しとなった。13時からは一般客も購入できることになる。

 「ケンゾー」のクリエイティブ・ディレクターのキャロル・リムとウンベルト・レオンは新宿店で、当選者がショッピングする様子を見守った。「純粋に買い物を楽しんでくれている姿を見て、とても興奮している」とキャロル。「実際に人々が街中で着ているところを想像するとワクワクするね」とウンベルト。

 さらに、「高田賢三さんが1969年にパリでファッション界に革命を起こしたストーリーを人々に伝えることが、キャロルと僕が6年前に『ケンゾー』に就任した時のミッションだった。高田さんと『ケンゾー』が生まれた日本で発売を迎えられ、そのストーリーをたたえられたのは素晴らしいことだ」とウンベルト。

 今、ファッション業界には“ユース”のアティチュードやスピリット、“ストリート・ラグジュアリー”のニーズ、そして、ファッションをもう一度パワフルでファン(楽しい)なものとして伝えようというムードが高まっている。特にキャロルとウンベルトは、歴史的なブランドを刷新したパイオニア的存在であり、ある意味、ファッションの流れを変えたキーパーソンでもある。本人たちはそのことをどう感じているのか?

 「気付いてくれてありがとう!6年前にブランドをスタートした時には、多くのブランドがそういった取り組みはしていなかったから、批判を受けたこともある。今はその流れが広がっているね」とウンベルト。キャロルは「『ケンゾー』のスピリットはまさにその通り。高田さんは日本からパリまで旅をして、クリエイティブシーンに新しさを吹き込んだ。私たちもそういう存在でありたいと思ってきたから」と続ける。

 一連のコラボについて、何百もの質問を受けてきた2人だが、一番お気に入りの質問は「『ケンゾー』と『ケンゾー×H&M』の違いは何か?というもの。このコラボは本当に本当に特別なもので、ブランドのヘリテージと、2人で成し遂げてきたことを伝えられた」とウンベルト。

 2人の一番のお気に入りは「ショート丈のリボンドレスね。テクニックはもちろんだけれども、『ケンゾー』のアーカイブを再現したロングドレスを新たに短くすることで、スペシャル感もありつつ、日常使いできるものになっているから。ビンテージをモチーフにした一例になっている」とキャロル。ウンベルトは「キモノジャケットだ。新しいものと古いものの完璧なバランスで、タイムレスなアイテムだ。日本だけでなく、グローバルで受け入れられると思う」と話す。

 最後に、日本で気になっているものについて尋ねると、ウンベルトは「いろいろな地域で作られたお皿などの陶器」、キャロルは「『ウチノ』のタオルやパジャマが大好き!コーヒーやお茶に使う『ハリオ』もとても薄いガラスで作られていて気に入っている」という。そして「このインタビューが終わったら、買い物に行くわ。まずは伊勢丹ね」とニッコリ。

 では、実際に事前抽選に当選し、「ケンゾー×H&M」を買った幸運な人々を直撃してみた。

 古着屋の副店長という24歳の男性は、「昨年も当選で当たって、原宿店の一番前で入ることができたけど、後ろは中国人の集団、その後ろは30人ぐらいのホームレスで。ラックごと持っていかれてしまったし、選べないし、人にまみれて大変だった。今回は事前抽選制だったので、落ち着いて一つひとつ選べたし、サイズも選べたし、クオリティーもチェックできたし、店員さんも丁寧に対応してくれたし、マイサイズが買えたから良かった」と高評価。ちなみに、今日はストリートブランド寄りのスタイルで来店。「普段から『ケンゾー』もコーデの中に一点だけ入れたりして時々着ている。購入したのは、リバーシブルのMA-1とリュック、ボンディングのパーカ、シンプルなスエットを自分用に、プレゼント用にウィメンズのスカーフとトートバッグを買って10万円で収まった」。

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