10月30日朝にイタリア中部で発生したマグニチュード6.5の地震は、歴史的建造物や住宅、インフラに大きな被害を与えた。8月24日に発生したマグニチュード6.2の地震の後で多くの人が避難していたため、幸いにも犠牲者は出なかった。しかし、現在も余震が続く中、総勢4万人の従業員を抱える1万1000以上の中小企業は大きな影響を受けている。
ファッション業界では、同エリアにトッズ(TOD'S)やブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)が本社を構える。ブルネロ クチネリは、特に被害が大きかったウンブリア州ノルチャの修道院の改修を約束した。創業デザイナーのブルネロ・クチネリ(Brunello Cucinelli)にとって、修道院長は宗教上の父親であり、同社の取締役会に長年在籍している。
その他「ルイーザ スパニョーリ(LUISA SPAGNOLI)」「ファビアナ フィリッピ(FABIANA FILIPPI)」もウンブリア州に拠点を構える。ジャコモ・フィリッピ・コチェッタ(Giacomo Filippi Coccetta)=ファビアナ フィリッピ共同オーナーは「幸いにもダメージは受けていない。業務は通常どおり行っている」とコメント。東部のマルケ州も108の自治体が被害を受けた。同エリアに工場を置くラルディーニ(LARDINI)のルイージ・ラルディーニ(Luigi Lardini)=クリエイティブ・ディレクターは「工場や本社は震源に近かったが、大きな損害はなかった。今のところビジネスにも影響は出ないと見ている。マルケ州にはシューズブランドも多くあり、「ファルク(FALC)」のサリーナ・フェレッティ(Salina Ferretti)=ジェネラル・ディレクターは「近いうちにコンフィンダストリア(イタリア産業総連盟)で集まり、どの企業やファクトリーが支援を必要とするのかを話し合う。通常業務を再開できるよう、最大限の支援をする」とコメント。
訳・北坂映梨