ユナイテッドアローズ(以下、UA)は、商品計画の精度アップに取り組む。シーズンの初回投入商品を減らし、その分、出足の良い商品の追加生産、鈍い商品の生産抑制でMDを柔軟に行う。2016年4~9月期の販売不振を受けたてこ入れ策で、気候変動や実需志向の高まりに対応した商品計画によって、プロパー消化率と粗利益率を改善させる。
同社の4~9月期は売上高が前年同期比1.5%増、営業利益が同52.6%減と大幅な減益に終わった。その理由を同社ではMDの柔軟性が欠けたことなどにより、売り上げ低調、値引き販売が増加したと総括。秋冬シーズン以降は適正品番数を精査し、シーズン初回の商品投入を型・奥行きともに抑制する方針に切り替えた。業態によっては1~3割程度の品番を減らす。期中の追加生産だけでなく、動きの鈍い商品は早めに見切りとつけて、低い値引き率での消化を目指す。またシーズン端境期の不安定な気候に対応できるよう、立ち上がり時期には中軽衣料や雑貨を強化する。
先行して昨年から商品計画の精度アップに取り組んだ「グリーンレーベル リラクシング(以下、GLR)」は4~9月期の既存店売上高が5.1%増と成果を出した。半年を8シーズンに分けたMDの完成度と端境期への対応、売れ筋品番の追加生産などが奏功した。この「GLR」の成功モデルを他業態に応用する。例えば、先物提案が多く、ジャストシーズンの商品が弱かった『UA』業態には、実需に合わせたMDのノウハウを採り入れる。
竹田光広・社長は「売れ筋品番の期中追加は、市場の売れ筋ではなく自社で作り込んだ製品に対して行うため、同質化は懸念していない。むしろ素材の差別化含め、高品質化を見込むことができるだろう」と説明する。