エスティ ローダー カンパニーズの2017年度7~9月期決算は、売上高が前年同期比1%増の28億7000万ドル(約2984億8000万円)、純利益は同0.9%減の2億9400万ドル(約305億7600万円)の増収減益だった。3年を目途に新たな人材育成、製品開発、組織モデル形成に投資する「リーディング ビューティ フォワード」戦略を含むリストラに3100万ドル(約32億2400万円)を投資した。
カテゴリー別に見ると、メイクアップは2ケタ成長の「トム フォード ビューティ」「スマッシュボックス」、好調の「エスティ ローダー」「クリニーク」が押し上げたものの、「M・A・C」の北米事業の不調が響き、同27.8%の11億7000万ドル(約1216億8000万円)、スキンケアは「ドゥ・ラ・メール」「オリジンズ」「アヴェダ」や直近で買収したスキンケアブランドが健闘したものの、「エスティ ローダー」「クリニーク」が苦戦しほぼ横ばい(同99.3%)の11億200万ドル(約1146億800万円)、フレグランスは「ジョー マローン ロンドン」「ルラボ」の2ケタ成長に加え、「バイ キリアン」が貢献し同7%増の4億4200万ドル(約459億6800万円)、ヘアケアは「バンブル アンド バンブル」とグローバルでの販路拡大が寄与し同1%増の1億3600万ドル(約141億4400万円)だった。
ファブリツィオ・フリーダ=エスティ ローダー カンパニーズ最高経営責任者は「17年第1四半期の売上高は期待通りで、管理費の削減により1株当たり利益を引き上げた。かつての免税事業や新興市場でのビジネスのように、中小規模のブランドが売り上げ増に強く貢献した。しかし予想通り、この成長は引き続く世界規模の景気停滞や米国の一部百貨店での客足減少、中東市場の減速、香港市場の軟調、米国とフランスでの大幅な売り上げ減によって相殺された」と説明した。17年通期の売上高は6~7%増、EPS(1株当たり利益)は3ドル20セント~3ドル30セント(約330~340円)を見込む。
(本文中の円換算レート:1ドル=104円)
原文・Allison Collins