クラボウの2016年4~9月決算は、売上高が前年同期比8.7%減の782億円、営業利益が同64.4%増の24億円、純利益が同35.0%増の13億円だった。繊維事業は経済情勢の悪化を受け、ブラジルの繊維子会社が苦戦。売上高は同15.8%減の348億円になった。営業利益は、不採算の百貨店向け素材事業の整理を進め、同13.0%増の3億2000万円になった。日系の紡績メーカーは、ブラジル経済の悪化を受け、長い歴史を持つブラジルからの撤退が相次いでいる。クラボウも赤字が膨らんでいるが、「現在の綿紡・羊毛の2工場をこのまま維持するかは見直すが、資源大国であり実力のある国なので、今後も十分に勝負できるエリア。撤退はしない」と断言した。
好調だったのは化成品事業で、原料の価格低下などコスト改善が進み、自動車内装材向け軟質ウレタンフォームの輸出が伸長した。半導体製造向けの高機能樹脂加工品も好調に推移し、売上高は同2.3%増の279億円、前期に8000万円の損失を出した営業利益は9億円に黒字転換した。
通期の見通しは売上高が同4.8%減の1650億円、営業利益が同3.5%増の45億円、純利益が同15.0%増の30億円の計画。