ファッション

「人類最古の衣類」ファーの新提案 「アジアリミックス 2016」が東京で初開催

 国際毛皮連盟アジア地区(INTERNATIONAL FUR FEDERATION ASIA REGION)は、グローバルに活躍するアジアの新進デザイナー育成と毛皮デザインの発展を目的としたイベント「アジアリミックス 2016(ASIA REMIX 2016)」を10月31日、目黒雅叙園で開催した。ファッション業界関係者のほか、インフルエンサー、メディア、服飾専門学校生ら300人以上が来場した。「アジアリミックス 2016」は、2014年の北京、ソウルに続き3回目。初の東京開催となる。

 イベントは3部構成。ハイライトは、アジア毛皮コンテストの予選を通過した日本、中国、香港、韓国のファイナリスト11人によるショーと最終審査だ。グランプリを獲得したのは、オプアートの錯覚柄をデザインソースにした名古屋モード学園出身の安藤優生さんの作品。「毛皮は、服を作る工程が他の素材と違う点が多く、新鮮で、新しい発見があった。私が好きなレザー素材に通じるものがある。使い方次第で、さまざまな表情を変えるのがファーの魅力。将来、自身のブランドを立ち上げた時も、ファーのアイテムを取り入れたい」と話した。

 また、中村友昭・日本毛皮協会(JFA)理事長は、「前2回も審査員を務めたが、日本人は上位に入賞し、クリエイションのレベルは高い。アジア各国の文化に裏打ちされた表現の違いが興味深かった。若く才能あるアジアのデザイナーが東京から世界にはばたく貴重なイベントになった。ファッション業界全体の発展に貢献したい」と語った。

 そのほか、東京の6人のモデル(紗羅マリー、エリーローズ、浦浜アリサ、福士リナ、田中シェン、JUN)を起用し、今シーズン、日本上陸を果たしたタイのブランド「ディサヤ(DISAYA)」が2016-17年秋冬コレクションを披露した。スタイリスト水嶋和恵のスタイリングによるファー小物を加えたスペシャルショーだ。そして、日本毛皮協会に加盟するファーブランド「ヴィオレッタ(VIOLETA)」、「ユウヤ イトウ(YUYA ITO)」、「ミヨシ ファー(MIYOSHI FUR)」の3ブランドによるコーディネートショーも行われた。

 旧石器時代から人身を守った「人類最古の衣類」といわれる歴史、防寒に優れた機能性、高いクラフツマンシップから生まれるラグジュアリーなファッション性など、リアルファーが現代まで受け継がれる高い存在感、優位性を再認識させられた。