アメリカン アパレル(AMERICAN APPAREL)は11月7日、事業のほとんどを終了する可能性を示唆する手紙を従業員に配信した。同社は2015年10月に米国連邦破産法第11章を申請し、以来買い手を探していた。
手紙の中には、「買い手候補は、製造、卸、小売事業について継続の意思がない可能性が高い。その場合、これら事業の終了および本社の規模縮小を60日以内に行うかもしれない」と書かれている。同社のスポークスマンはノーコメント。関係者によると、同社は複数の候補を検討しており、最有力候補は会社の全事業・全資産を買う予定という。また関係者は、配られた手紙はあくまで予告であり、買収後はビジネスを再開できる可能性が高いと見ている。
ダヴ・チャーニー(Dov Charney)創業者兼元最高経営責任者の退任後、業績は悪化する一方だ。ヨーロッパでは、ブランドのDNAであるベーシックアイテムの代わりにファッション性の高いアイテムを早いペースで出した結果、消費者の離反を招いた。その結果、11月5日にヨーロッパへの配送を全て中止した。ヨーロッパのビジネスについても、同社からコメントは得られていない。
アメリカン アパレルは2014年にダヴ・チャーニーを退任させ、後任にパウラ・シュナイダー(Paula Schneider)を起用。しかし、借金は残ったままで会社を立て直すことができず、破産法申請に至った。10月にはカリフォルニア州ホーソーンにある染色工場を閉鎖した。業界では買収後、再び破産するうわさが浮上している。
原文・KARI HAMANAKA