三越伊勢丹ホールディングスが10月27日にマレーシアのクアラルンプールに出店した「イセタン・ザ・ジャパン・ストア・クアラルンプール(ISETAN THE JAPAN STORE KUALA LUMPUR)」は売上高が予算比で35%増と好調な滑り出しとなった。大西洋・社長が明かした。
特に好調なのは、食品とヤングファッションで、食品は想定の売上高構成比35%に対して、42%を占めている。また、ヤングファッションについては「マスターマインド ジャパン」などが好調で、現地のヤングエグゼクティブをはじめ、日常的にデザイナーズブランドを着用している層が来店しているといい、手応えを感じている。日本人のサポートスタッフなどが徐々に帰国している中で、現地でオペレーションができるかどうかが課題となる。売り場面積は約1万1000平方メートルで、初年度売上高は1億2500万マレーシアリンギット、日本円で約35億円を計画する。
一方、9月30日にパリ日本文化会館にオープンした「ザ・ジャパン・ストア・イセタン・ミツコシ・パリ(THE JAPAN STORE ISETAN MITSUKOSHI PARIS)」は、予算達成率が70%と苦戦している。日本のお茶文化を一つのテーマとして取り扱っているが、高級な茶箱などいいものはあるが、一般の人々には高価で気軽には買えないものが多いのが一つの要因だ。一方、食品は想定を上回り40%を占めるなど順調だ。
売り場面積が約90平方メートルと小型で、テストマーケティングの意味合いが強い店だ。今後はMDバランスを変更しながら、現地でうけるものと、日本の良いものを発信することを見極めていくことになる。
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