イギリスの大手小売り業者、マークス&スペンサー グループ(MARKS AND SPENCER GROUP)の2016年4〜9月期決算は売上高が前年同期比0.9%増の49億9000万ポンド(約6437億円)、純利益が同91%減の1590万ポンド(約20億円)だった。衣類と生活雑貨の不調および年金にまつわるコストが大幅な減益を招いた。
これに伴い、同社はイギリス国外にある53の直営店を閉鎖する。中国やフランス、ベルギー、エストニア、ハンガリーなどの店舗を閉める一方で、インドやギリシャなど、ビジネスが好調な国のフランチャイズ店舗は残す。閉鎖コストは1億5000万〜2億ポンド(約193億〜258億円)の見込みで、年間4500万ポンド(約58億円)のコスト削減を見込む。11年にオープンしたパリ・シャンゼリゼ通り旗艦店も閉鎖するようだ。
同社は今後、イギリス国内の店舗に注力し、5年以内に立て直す計画だ。衣料品や生活雑貨のスペースを25%削減し、食品専門店舗の出店を進める。全カテゴリーを扱うGMS型店舗を60店閉め、より小型の食料品店舗を増やす予定だ。
海外市場からの撤退は、01年のイギリスを除くヨーロッパ圏内の全店舗閉鎖以来。
訳・北坂映梨