YKK・ファスニング事業の4~9月決算は、売上高が前年同期比15.2%減の1495億円、営業利益が同19.7%減の286億円になり、4期ぶりの減収減益になった。この数年同社はファストファッションや量販店向けの低価格ゾーンへの積極的な拡販により、2017年度にファスナーの年間販売100億本を計画。期初には増収増益の計画を立てていたものの、想定以上の円高と世界的な衣料市況の低迷が直撃した。円高による為替換算差で海外子会社の売り上げ・利益の数字が目減りしているため、換算前の現地通貨ベースでは売上高が前年比1%減、営業利益が8%減になる。ただ、世界的な衣料市況の低迷の影響も大きいようで、同社によると「米国ではアパレルの流通在庫が高止まりになるなど、中国と米国のアパレル市場が想定以上に低迷した。先行して積極的な設備投資も行っており、数量ベースの販売減が利益を削った」という。