コティの2016年7~9月期決算は、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のビューティ関連41ブランドの買収による混乱で、売上高が前年同期比3%減の約11億ドル(約1144億円)、純利益はほぼゼロと減収減益だった。なお、41ブランドの買収により、同社の16年通期の売上高は倍増。年商90億ドル(約9360億円)となり、香水メーカーとしては業界トップに躍り出た。同社は10月、41ブランドの買収手続きを完了したが、今回の決算にP&Gから買収したブランドの売上高は含まれていない。
事業別では、主力のフレグランスの売上高が同10%減の4億9260万ドル(約512億円)。「クロエ」「ダビドフ」が好調だったものの、セレブリティーフレグランスやマス向けの商材、「カルバン クライン」の不調は補填しきれなかった。カラーコスメティクス事業はレブロンに売却した「キューテックス」の減収要因、アメリカのネイル市場で2ケタ減だった「サリーハンセン」などの不振が響き、同10%減の3億5270万ドル(約366億円)、スキン&ボディーケア事業は「フィロソフィー」が伸長したものの、「アディダス」「プレイボーイ」の売り上げ減により、同7%減の1億6190万ドル(約168億円)。ブラジルの医薬品メーカー、ハイパーマーカスのビューティ部門買収による増収効果は7300万ドル(約75億円)と限定的だった。
バート・ベクト=コティ会長は、「コティ再編への道のりは長い。ビジネスの統合は、多くの従業員がこれまでとは異なる場所で同じくこれまでとは異なる仕事を担うことを意味し、大きな混乱を生んでいる。今は移行期間のため、何かに特別注力することも難しい」と述べた。同社は売り上げの6~8%に相当するいくつかのブランドの売却を検討しており、17年度末までに発表予定だ。
原文・ALLISON COLLINS