ニューヨークを拠点に活動するブランド「イサオラ(ISAORA)」は、“機能”と“スタイル”の融合を目指し、2009年にマーク・ダニエルズ(MARK DANIELS)とリッキー・ヘンドリー(RICKY HENDRY)が設立した。アスレチックスウエアをベースにボンディングやスエット素材などを用いて、パフォーマンスレベルを下げることなく、都会的にアップデートする。日本では、伊勢丹新宿店メンズ館やビューティー&ユース ユナイテッドアローズ、エストネーション、バーニーズ ニューヨークなど、有力店が買い付けている。「WWDジャパン」が提案するメンズの新トレンド「ギアモン=GEAR FOR MODERN MEN(ギア的要素の詰まったウエアをまとう、モダンなメンズスタイル)」ブランドの一つとしてデザイナーのマークに迫った。「イサオラ」の生み出す都市生活のための機能服とは?
WWDジャパン(以下、WWD):ブランドを設立した経緯は?
マーク・ダニエルズ(以下、マーク):ブランド設立前、僕はグローバルなソフトウエア会社でUIデザインを担当していました。当時、市場には「パタゴニア(PATAGONIA)」や「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」といった本格的なアウトドアブランドはありましたが、その多くはあくまでエクストリームな環境下での使用を前提としたもので、都市で使用するためにデザインされたウエアではなかったのです。そこで、都市で使用するためのアウターをメーンに「イサオラ」を立ち上げました。
WWD:現在はトータルコレクションを展開しているが、アウターからラインアップを拡大した理由は?
マーク:アクティブで都会的な大人の男性の多くが、それまで以上にジムやヨガ、スピニングバイク、クロスフィットなどのトレーニングに熱中し始めました。でも当時は、20代後半~30代の男性が本当に着たいと思えるフィットネスウエアがありませんでした。例えば、「ルルレモン(LULULEMON)」はフィットネスウエアのパイオニアですが男性向きではないし、「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」は気軽なトレーニングというよりもプロのアスリート向けという印象が強かった。「ナイキ(NIKE)」はあらゆる点で素晴らしいブランドで僕も大好きですが、マスに向けた非常にメーンストリームなブランドです。つまり、市場に極端な選択肢しかなかったので、男性に向けたニッチなアスレチックスウエアに需要があると考えました。そこで僕たちは「進化したデザインと高いパフォーマンス性、テクノロジー、最高水準のコンストラクション」をコンセプトに、トータルコレクションを提案することにしました。