ストライプインターナショナルは、中国で日本の同業他社のアパレルブランドを集めた大型店業態を2017年秋から開始する。1号店となる上海店は、売り場面積1000平方メートル。店舗名は「アース トーキョー」を予定しているが、同社の主力ブランドである「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)」の扱いは1割程度に留め、同業他社の50ブランドを中心に売る。一方で、11年に中国進出を果たした「アースミュージック&エコロジー」の店は縮小。中国を中心にしたアジアの出店戦略を大幅に見直す。
ストライプは11年に「アース ミュージック&エコロジー」の中国1号店を上海に開き、以降、沿岸部だけでなく、内陸部や東北部まで中国全土に約100店を出店してきた。だが同ブランドのような小型店は、「H&M」や「ザラ」の大型店に比べて品ぞろえが限定的なこともあり、苦戦を強いられてきた。現在、すでに約60店に縮小しており、今後さらに約30店に集約する。
大型店業態「アース トーキョー」は、名前の通り「東京ファッション」をテーマにした店になる。日本のファッションビルやショッピングモールでライバル関係にあるブランドを取り込む。扱う他社ブランドは50前後になるもよう。石川康晴・社長は「赤文字系も青文字系も関係なく、大型店に幅広い東京ファッションをそろえることで、(中国の)マーケットニーズに応えていきたい」と話す。訪日客の増加や越境ECの拡大で、若い女性に「東京ファッション」の認知は高まっていると見る。中国でノウハウを確立した後、韓国や台湾、東南アジアなど5年後に50店舗の体制を目指す。
すでに同社は今秋から「アース ミュージック&エコロジー」の函館(北海道)やいわき(福島県)、松山(愛媛県)など地方の6店で、同業他社のブランドの扱いを始めている。いずれもロードサイド立地の330~495平方メートルの広い売り場で、ストライプの自社ブランドに加え、他社の20~30ブランドを販売。地方ではそれらのブランドを一堂に見ることができる商業施設が少ないため、消費者の反応は良いという。中国の「アース トーキョー」はこのビジネスモデルを発展させたものになる。