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映画「古都」プレミアイベントが舞台・京都で開催 老舗の家元が全面協力

 12月3日から全国ロードショーの映画「古都」公開を記念し、舞台となった京都でプレミアイベントが行われた。主演の松雪泰子と監督のYuki Saito、エンディング曲「糸」を歌う歌手の新山詩織が登壇し、映画への思いを語った。同作は、川端康成による同名の長編小説で、1963年に岩下志麻、80年に山口百恵主演で映画化されている。今作は原作のその後を描いたストーリー。生き別れになった双子の姉妹が成長し母となった後の葛藤や伝統継承への思いを、娘との絆とともに浮かび上がらせる。公開に先駆け11月26日から、京都で先行上映する。

 京都府・市が制作に全面協力し、撮影で登場する茶道は裏千家今日庵、華道は池坊華道会が後援。禅のシーンは妙心寺退蔵院・松山大耕副住職が自ら出演した。“京都の本物”にこだわったSaito監督は3年前から京都に通い、準備を進めたという。「50年前の世界そのままではなく、現代の京都の視点を加えたかった。一番大事にしたのは、日本人の精神性。代々の家元や伝統工芸に宿る目に見えない魂を映したかった。京都とパリ、それぞれの古都で人の宿命や運命というものを描きたかった」と説明した。

 松雪泰子は撮影を通し老舗の家元に触れ「『継承する』ということは、改めて簡単なことではないなと。すべてのことに意味があって、歴史的背景があって、息づくエネルギーを感じた」と振り返った。「川端さんの原作は、ページをめくるたびに京都が持つ文化の奥深さが絵画のように広がる、素晴らしい作品。その精神性を全身で表現したいと思った。伝統文化を体で感じ、茶道や着付け、京ことばといったお稽古であらゆる所作を学びながら、この地に根差して生きる女性をできる限り体現した。丁寧に時間が進む作品なので、自分自身と重ねて向き合いながら豊かな時間を過ごしてほしい」と語った。

 イベント会場には、今作に衣装協力した帝人フロンティアの和装向け新素材「華月」を使用した着物、作品の重要なキーワードとなった北山杉の帯を展示。会場のディレクションは、デザイナーの串野真也が手掛けた。

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