世界最大級のメガバンクHSBCが、ケリングの株式を「買い」と高く評価し、今後値上がりするだろうとの予測を発表した。HSBCのアントワン・ベルジェとアーワン・ランブルグ=ラグジュアリー・アナリストは特に、今後「ボッテガ・ヴェネタ」よりも多くの利益を残すであろう「サンローラン」と、アレッサンドロ・ミケーレの功績により好転した「グッチ」、再浮上の兆しを見せる「プーマ」の3ブランドを高く評価。本年度の第3四半期の売上高が前年同期比10.9%減と振るわない「ボッテガ・ヴェネタ」の不調を補って余りあるという。
HSBCは投資家に向けたレポートの中で、「『サンローラン』の前デザイナー退任に伴う混乱が業績に与える影響は軽微だ」とコメント。エディ・スリマンの後継者を務めるアンソニー・ヴァカレロのクリエイションに合格点をつけた。また「グッチ」については、「巨大なラグジュアリーブランドが、これほどまでに短期間で復活するなんて」とのニュアンスをにじませながら、「ミケーレによるレザーグッズ・コレクションは、メゾンにとって“金の生る木“になる可能性を秘めている。定番として、定着する可能性が高い」と続ける。HSBCは「グッチ」について、2016年は10%、17年は9%、18年は8%と着実に成長を続けるだろうと予測する。
さらに「プーマ」については、「17年には安定した黒字体質になるだろう」と分析。「中国を筆頭に、社会全体が健康を意識し始めている」と「プーマ」にとって追い風が吹いていると指摘する。