楽天のフリマアプリ「ラクマ」と、楽天傘下のファッション系フリマアプリ「フリル」は共同で、フリマアプリ首位の「メルカリ」を追撃する。両社は相互送客やシステム開発の面で連携するほか、「フリル」が「ラクマ」が始めた手数料無料サービスを10月にスタートするなど、グループでのシナジーを最大化する。井上貴文・楽天C2C事業部ジェネラルマネージャーは、「現在は『ラクマ』と『フリル』の合計流通額は、首位『メルカリ』の3分の1ほど。将来的には統合を見据えつつも、いまはそれぞれのマーケティングとプロダクト開発を強化し、それぞれのユーザー数獲得を優先する」と語った。ライバルの「メルカリ」は北米に進出する一方、ストライプインターナショナルやスタートトゥデイなど既存の流通大手がフリマアプリやレンタルサービスを相次いでスタートするなど、スマホを使ったCtoCビジネスが活発になっている。「フリル」を展開するファブリックの堀井翔太・最高経営責任者(CEO)は、「中長期的にはビジネスの勝敗は、金融とITを融合したフィンテックサービスがカギを握る。楽天グループのノウハウを活かし、ナンバーワンになる」と意気込む。
「フリル」はファブリックの堀井CEOが12年7月に、初の本格的なフリマアプリとしてサービスをスタート。スマホを使って手軽に手持ちの服を売買できる使いやすさが若い女性に受けると、LINEやスタートトゥデイなど大手企業も相次いで参入。9月には楽天グループ入りすると、10月からは俳優の山田孝之を起用し、手数料無料サービスを訴求するテレビCMを開始していた。テレビCM開始後、10月の出品数は前月比78%増、流通額は66%増になっている。