ワールドのセレクトショップ「ドレステリア(DRESTERIOR)」を立ち上げから手掛けてきた森万恭(もりかずやす)森事務所代表が、8月末で同社を離れ、新たな活動を始動した。
「ドレステリア」は1998年にスタートし、「オペーク(OPAQUE)」と並びアパレル企業が手掛けるセレクトショップの先駆け的な存在でもあった。森代表は1号店を渋谷区神南にオープンして以来、「ドレステリア」のディレクションを軸に、メンズウエアのデザイン、バイイングコーディネート、店舗、什器のデザイン、全ての媒体用の撮影や、ウェブのアートディレクションなどを一手に引き受けてきた。神南店は倉庫として使われていた場所だが、「バレエのレッスンスタジオの跡地に店を開いた、というストーリー仕立てとし、ヨーロッパ調の什器やアンティークなどを使用した世界観も注目を集めた。
森代表は20歳からアパレルに携わり、ベイクルーズの創成期を担った人物でもある。縁があってベイクルーズのアパレルの立ち上げのキーパーソンに。「エディフィス(EDIFICE)」の立ち上げにも尽力した。「実は中卒。入学した高校には1カ月も通わなかったし、服作りも学校で学んだことはなかった。ただ、元来凝り性なので、その時その時、徹底的にのめり込んで技術を習得し、センスを磨いてきた。テキスタイルの図案も描けるし、写真もインテリアも全部独学で習得してビジネスに生かしてきた」と明かす。
「ドレステリア」はECの売り上げが好調だったため、直近ではワールド全体のウェブ施策のアドバイスを行ったり、オフィスの余剰スペースの活用法なども提案してきたという。しかし、「未来のブランドの在り方について経営との間に大きな違和感を感じたため、業務委託契約を終了させてもらった」という。来年還暦を迎えるというタイミングもあったようだ。