世界中でラグジュアリーブランドが苦戦する中、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が定番ライン“スピーディ”のエントリーレベルのハンドバッグや革小物の強力プッシュで、スピーディーに苦境から抜け出しそうだ。“スピーディ”は今年、日本市場でも改めて注力し、一定の成果を上げている。
メガバンクHSBCは、「ルイ・ヴィトン」が2016年度の下半期から18年まで、年率5~6%のペースで成長を続けそうだと予想。アントワン・ベルジュとアーワン・ランブルグ=ラグジュアリー・アナリストは、「『ルイ・ヴィトン』は『グッチ』と並び、ラグジュアリー市場で新客、特に若い消費者を引き付けている」と評価する。「ルイ・ヴィトン」は近年、店舗網の拡大を一休みして、MDを強化。よりラグジュアリーなバッグはもちろん、モノグラムアイテムの再開発、革小物の改良などが奏功し、これらのカテゴリーは2ケタ成長しているようだ。2人は、「『ルイ・ヴィトン』の顧客は富裕層だけに限らない。年収3万5000ドル(約395万円)の人だっている」と商品構成の幅広さを高く評価した。
「ルイ・ヴィトン」は、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンの利益の約半分をたたき出していると推測されている。HSBCはダナ キャラン インターナショナルのG-Ⅲアパレルグループへの売却や「リモワ」の買収など、企業としてのLVMHも高く評価している。