トウキョウベースが12月5日、取引先を招いた納会をグランドハイアット東京で開いた。谷正人・社長は創業10周年となる来年、4月に海外初出店となる香港店出店に賭ける意気込みと共に、秋にはいわゆる東コレに参加し、「ユナイテッドトウキョウ」をショー形式で披露したいと語った。
谷社長のあいさつの骨子は以下の通り。
「昨年、東証マザーズに上場し、上場元年となる2016年にはさまざまなことにチャレンジした。昨春スタートした『ユナイテッドトウキョウ(UNITED TOKYO)』は順調に推移。『ステュディオス(STUDIOUS)』のウィメンズに力を入れ、初の路面店を渋谷にオープンした。さらに、『ステュディオスシティ』という大人向け業態もスタートした。人材採用も進み他社からどんどん経験者が入り、新卒の30人を含めて若手も入社している。来年は2007年4月に23歳で『ステュディオス』をスタートしてから10年になる節目の年。さまざまな仕掛けをする。さんざん言っておいてやっとかといわれるが、『ステュディオス』香港店をオープンする。『ユナイテッドトウキョウ』の東コレ参加も社内決定した。既存業態のブラッシュアップと、『ステュディオス』のウィメンズ強化、接客力の強化をするとともに、第3、第4、第5の業態の開発や、M&Aの仕込みも少しずつスタートしている。メディアなどでは服が売れない時代だといわれるが、われわれのお客さまだけ見れば、服は売れているし、これからもファッションは大いに売れる。EC(の台頭)でショッパーを持って街を歩く人は減っているかもしれないけれども、ショップやブランドのプレイヤーが増えて競合が激化する中でも、伸びている業態は伸びているし、グローバルな視点でいえば、マーケットは未開拓であり、(ポテンシャルは)無限にある。競合は同業他社ではなく、ネットや、暇つぶし市場と言われるものだと思う。かわいくなりたい産業、カッコよく思われたい産業、幸せになりたい産業はますます伸びると思う。『日本発を世界に』をスローガンにしてきたが、ようやく来年4月に香港のコーズウェイベイに『ステュディオス』のメンズで売り場面積30坪(約99平方メートル)で出店する。1店舗からスタートするが、世界で成功できるか、将来を決める重要な店だ。大人の事情やハードルの高さはあるが、嗜好品ブランドで海外で成功している(日本)ブランドはないので、ぜひ成功させたい」。
なお、同社は香港出店に際し、4年越しでリサーチし、物件を探し、人材の採用や育成を行ってきた。中国のぜいたく禁止令の影響で消費が落ち込んでいるが、ピーク時に比べると賃料の相場が半値近く下がっているという。ビジネスを成功させるには、売り上げを取るだけでなく、賃料とのバランスが重要であり、マーケットが比較的低迷している時点に好条件で出店することで、着実に実力をつけ、環境の好転を追い風に大きく成長したい考えだ。
また、東コレ参加については、正式スケジュールに入るか、時期を合わせて行うか、オンシーズン商品を見せてすぐに購入できるシーナウ・バイナウ型にするかなど、詳細についてはこれから検討していく。