日本の皮革関連企業57社で構成される協同組合資材連は9日まで、「第95回東京レザーフェア」を、東京・浅草の都立産業貿易センターで開催している。会場では「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」のデザイナー坂部三樹郎が、皮革関連企業とコラボレーションしてレザーファッションショーを行った。
坂部デザイナーは10月に発表した「ミキオサカベ」の17年春夏コレクションと、新たに制作したレザー製品を組み合わせて発表。老舗タンナーのニッピ・フジタと、革加工・革漉きを専門とする加工業者の黒田革漉工業とコラボしたレザーアイテムを披露した。ファッションショー後に開催されたトークショーでは、「協力いただいた企業と半年かけて開発したレザーを使って製作した。皮は生き物から生まれている素材なので、他の素材を扱うときとは違う感覚がある。レザーは非常に専門的な技術が必要なため、業界も閉鎖的になりがち。今後日本のレザーを発展させていくには、業界の垣根を越えていくことが重要では」と話した。
兵庫県・姫路市の坂本商店は、今年9月にフランス・パリの素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」主催のテキスタイルアワード「PVアワード」でレザー部門の賞を受賞。坂本弘・代表は「受賞でラグジュアリーブランドからの引き合いがぐっと増えた。あまりの変化に対応できていない部分もあるが、ちょっとずつがんばっていきたい」と話す。かばんやファッション雑貨の裏地用にナイロンなどを提供しているニシムラの柳田允・営業部は、「年間売り上げは10億円くらい。市況のあおりを受けて下がってはいるが、基本的には安定している。一番人気の生地は、一カ月で3万メートルくらい売れる」とコメント。資材連の吉比浩・副理事長は、「一回のイベントで5000~6000人くらいの方が来場する。近年は学生や一般入場も増えている。レザーというとバッグなどのイメージが強いが、最近はアパレルへのアピールを強化している。今後日本のレザーをグローバルに発信するためには、トータルファッションでの提案が必要。その意味で、日本のレザーの一番の魅力であるソフトさは武器になる」と話した。
今回は皮革製造業者や加工業者などから、副資材を扱う業者まで全174社が出展。海外からの参加もフランス、イタリアなどの欧米を中心に、前回よりも増加した。