デザイナーの山本耀司と若手画家の朝倉優佳による展覧会「画と機 山本耀司・朝倉優佳」が12月10日、東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで開幕する。一般公開に先駆け、9日には内覧会とオープニングレセプションが行われた。来場者に向けて、山本は「たかだかファッションデザイナーが絵を描くなんて、絵を専門とする人からするとおこがましいということは分かっている。以上です!」と力強くスピーチ。その言葉とは裏腹に会場には、山本と朝倉の中からあふれ出すエネルギーとアートへの情熱を感じさせる作品が並ぶ。山本は約2カ月で全ての絵画を制作したというから驚きだ。
同展は3つのスペースから成る。1つ目のスペースには、山本が手掛けた2人の人が座って抱き締め合う姿を表した彫刻や透明なガラスに両面から描いた絵画などを中心に展示。部屋を想起させる2つ目の大きなスペースには、キャンバスや紙、屏風状のウッドパネルなどに墨やアクリル絵具、油彩で描かれた2人の大小さまざまな作品が並ぶ。屏風状の作品は、家の大きなリビングルームに必要という山本自身のプライベートな理由から制作され、その横にはベッドやサイドテーブルなどの家具が設置されている。また、朝倉とのコラボにより制作された「ヨウジヤマモト」のコレクションピースは、流木や針金で作られた独創的なマネキンに着せ、展示している。そこには、山本自身や愛犬のリンを模した作品もあり、時おり、咳や鳴き声が流れる演出もユーモアに富んでいる。最後のスペースには、黒字の紙に描いた線画やそれらをプリントした黒の服などが飾られる。
「画と機」展の会期は2017年3月12日まで。また、関連展覧会として、代官山ヒルサイドフォーラムで12月17日から17年1月15日まで、クレイグ・マクディーンやデヴィッド・シムズら著名写真家がこれまで撮影したモード写真が一堂に会する「ヨウジヤマモト / モード写真」展も開催する。