2017年春夏に復帰した「バンド オブ アウトサイダーズ(BAND OF OUTSIDERS)」はチームを再編成し、17-18年秋冬シーズンに再デビューする。17年春夏のリローンチに際して起用したデザイナーのマティアス・ウェーバー(Matthias Weber)、ニクラウス・ホーデル(Niklaus Hodel)、フローリアン・フェーダー(Florian Feder)は退き、ブランド・ディレクターにダニエル・ヘットマン(Daniel Hettmann)、デザイナーにアンジェロ・ヴァン・モル(Angelo Van Mol)が就任した。また17年春夏コレクションは販売しないという。同コレクションは、伊勢丹やバーニーズ ニューヨークなど、約24の小売店舗からオーダーを受けていたようだ。17-18年秋冬は、ブランドの原点にあるメンズウエアにフォーカスし、パリとニューヨークのメンズ・コレクション期間中に展示会を開催。
ブランドの知的財産権を所有するCLCCのアントニー・ヴェルベ(Antony Verbaeys)=マネジング・ディレクターは「カリフォルニアテイストのプレッピーなメンズに戻る。コレクションの発売は、ブランドDNAをきちんと確立させ準備が整ってから行う」とコメント。後任についてはあえてデザインチームを選んだと強調。「多くのデザイナーは、膨大な仕事量と加速化するファッションシステムにクリエイティビティーを見失っている」と語る。ヴァン・モルはイギリスのサヴィルロウで経験を積み、ヘットマンは「ヴェトモン(VETEMENTS)」やメイシーズ(MACY'S)のコンサルを行ってきた。その他、ロンドン屈指の商品開発担当や優秀なマーチャンダイザーを起用したという。
秋冬はブランドが得意とするカジュアルシャツの他、フルワードローブをそろえる。また、SNSを活用したプロモーションを行い、パリ・メンズ・コレクション期間中にキャンペーンビジュアルを披露する。なお、ウィメンズはメンズが軌道に乗ってから、ローンチを検討するという。
「バンド オブ アウトサイダーズ」はメンズブランドとして2004年にロサンゼルスでスコット・スターンバーグ(Scott Sternberg)がスタート。プレッピーでカジュアルなコレクションがヒットし、ウィメンズライン「ボーイ バイ バンド オブ アウトサイダーズ(BOY BY BAND OF OUTSIDERS)」もローンチ。13年にはサザビーリーグと提携して世界初の旗艦店を千駄ヶ谷にオープンした。しかし、200万ドル(約2億3000万円)の借金を返済できなかったスタンバーグは、15年5月にブランドの休止を発表。その後ルクセンブルクのCLCCがブランドの知的財産権と在庫を買い取った。ハイエンド・コンテンポラリー・ブランドとして17年春夏に復帰した。