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ベルリンのテロで欧米の小売りも警戒態勢強化

 12月19日夜(現地時間)にドイツ・ベルリンのクリスマスマーケットで発生したテロを受けて、周辺の施設のみならず、ヨーロッパやアメリカで警戒態勢が強化されている。

 事件が起きたブライトシャイト広場のクリスマスマーケットは、ショッピング施設が並ぶエリア。広場を囲むクアフュルステンダム通り、タウエントツィーン通り、ブダペスト ストラーセ通りの一部は通行規制を行った。百貨店のカーデーヴェー(KADEWE)など、ほとんどの店舗は通常営業しているが、警戒レベルを高めている。マーケットの向かい側には巨大ショッピングモール「ビキニ ハウス(BIKINI HAUS)」があり、20日は通常通りオープン。しかし地元警察と連携をとり、1階の店舗は臨時休業をすすめられている。2階に出店している「オデイ(ODEEH)」も20日は休業した。共同オーナーのヨルグ・エールリヒ(Jorg Ehrlich)は20日の取材に対し「21日は営業するつもり。今ビキニ ハウス全体が混乱状態で、営業の判断は各テナントに任された」とコメント。同じくビキニ ハウスに出店している「ファンダメンタル(FUNDAMENTAL)」のステファン・モロイ(Stephen Molloy)は「われわれは通常営業している。ベルリン警察とビキニ ハウスのセキュリティーチームの冷静な対応はさすがだ。一致団結したドイツ国民の勇気と仕事を続けるビジネススピリットは、一国民として誇りに思う」とフェイスブックに投稿した。マーケットに隣接するショッピングセンターの「ヨーロッパ センター(EUROPA CENTER)」も20日は営業したが、警備体制を強化。ブダペスト ストラーセ通りとブライトシャイト広場に面する入り口は封鎖している。一部のショッピングセンターでは、大型トラックの敷地内への立ち入りを禁止したり、商品の入荷を敷地外で行ったりを検討している。また政府は現在、年末年始の警備態勢を見直している。ドイツ小売協会のニルス・ブッシュ・ペーターゼン(Nils Busch Petersen)=ディレクターは「ほとんどの店舗は、できる限り通常営業している。これまで今年のビジネスは好調だったが、今回の事件がどれほどの影響を与えるのかはコメントできない」と語った。ベルリン警察は事件を受け、国内にある全60のクリスマスマーケットの20日の開催中止を進めたが、連邦大臣や内務大臣により反対された。

 他国も警戒レベルを上げている。近年テロ攻撃が続いたパリでは、クリスマスマーケットの警備態勢を強化し、20日朝はマーケットに近いシャンゼリゼ通り周辺の交通規制を行った。午後には元に戻ったが、地元警察や警備員、兵隊がマーケット内を巡回した。出店者のジェローム(Jerome)は「19日に比べ来場者は少ない。しかし、みんな前に進んでいるようだ。昨年は(パリの)テロ攻撃後、何週間も人通りが途絶えていた」と話す。パリの百貨店は1回2015年1月に風刺週刊誌「シャルリー・エブド(CHARLIE HEBDO)」を狙った襲撃事件以来、厳重な警戒態勢を取っている。フランスは1回目のテロ以来幾度も緊急事態宣言を出しており、今回は7月のニースでのテロ攻撃に続き、4度目の延長になる。

 ロンドン警察庁のスポークスマンは「アンカラ、ベルリンに続き、ロンドンもターゲットになる可能性は十分にある。クリスマスと年末年始のイベントでの警備態勢を計画している」とコメント。ニューヨーク市警察は「ドイツの事件を慎重に観察している。われわれは専門チームやクリティカル・レスポンス・コマンド(Critical Response Command)を始動させ、市内各所に配置した」と発表。クリティカル・レスポンス・コマンドは500人のテロ対策チームで、パリのテロ攻撃後に結団された。ニューヨークではトランプタワーがある5番街でも、警備態勢を強化している。ホリデーショッピングやイベントで人が多く街に集まる年末年始は、各国で引き続き厳重な警戒態勢がとられる模様。

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